英国、就労権確認ガイド更新、雇用主の定義と責任範囲を拡大

(英国)

ロンドン発

2026年10月13日

英国内務省は10月1日、雇用主向けの就労権確認ガイドを更新PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。国籍を問わず、全ての候補者を対象に、雇用開始までに就労権の確認をすることは、これまでも雇用主の義務とされてきた。就労権の確認が内務省の法令や実務指針どおりに行われていた場合、後に内務省による検査が行われた際に、雇用主は不法就労に対する法定の免責を確保できる。

今回の変更では、雇用主の定義を拡大。従来の雇用契約や徒弟契約に基づく雇用労働契約に基づき個人を雇用する者(注1)、個人事業主の下請け事業者を利用する者(注2)、オンラインマッチングサービス提供者(注3)も含める。また、本制度に基づき適用される責任範囲も、直接的な雇用関係に限定されず、拡大責任規定に基づき、業務またはサービスが提供される契約上の取り決めを通じて生じる可能性がある。

就労権の確認方法には次の3つがある。

  • マニュアル確認:パスポートなどの実物を確認し、コピーを保存の上で確認日を記録する。
  • オンライン確認:電子ビザ保持者対象。被雇用者本人がビザアカウントから入手したコードを用いて、内務省の専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから確認し、本人の写真と確認日記載の概略ページを電子または印刷の上、保存する。
  • デジタル証明サービス登録事業者(DVSP)を利用する。

許可なく就労できる状況は、不法移民を助長する要因となる。移民制度の有効な運用を損なうだけでなく、搾取や虐待のリスク、最も深刻なケースでは奴隷制に至ることもある。また、不公正な競争や雇用法・税法違反を通じて、法令を順守する企業や労働市場全体にも悪影響を与える。

政府はこうした観点から、就労権の確認にはビジネスおよび公共政策上の意義があるとしている。

ビザのスポンサーシップ・マネジメント・システムのセキュリティー強化

また、内務省は9月3日から11月にかけて、ビザのスポンサーシップ・マネジメント・システムのセキュリティー強化のため、多要素認証を段階的に導入している。ログインの際に、ユーザー名、パスワードに加えて、メールまたはショートメッセージ(SMS)で送られる1回限り有効のパスコードが必要になる。担当者の生年月日、携帯電話番号、メールアドレスが正しく登録されているか確認が必要だ。

(注1)飲食店などの繁忙期の短期雇用契約など。

(注2)料理宅配プラットフォームなど。

(注3)家事代行サービス検索サイトなど。

(野崎麻由美)

(英国)

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