EUのGHG排出量は1990年比35.6%減と報告、一般教書演説で気候目標維持も欧州議会で意見分かれる
(EU、中国、インド、米国、トルコ)
ブリュッセル発
2026年10月01日
欧州委員会の共同研究センター(JRC)は9月7日、2025年の世界の温室効果ガス(GHG)排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で54ギガトン〔1ギガトン=10億トン、土地利用・土地利用変化と林業(LULUCF)を除く〕となり、前年比0.7%増加したと発表した(プレスリリース
)。16の主要排出国・地域(注)のうち6カ国・地域で排出量が減少したほか、世界最大の排出国である中国の排出量の伸びは2024年の前年比1%増から2025年は0.1%増へ鈍化し、3番目に排出量の多いインドは4%増から0.2%減へ転じた。中国やインドで初めて排出量増加に減速の兆しがみられたものの、世界全体のGHG排出量は依然として過去最高水準を更新した。主要排出国では、米国が2.2%増となったほか、トルコは4.2%増と最も高い伸び率を記録した。また、分野別では、航空(5.1%増)や海運(1.4%増)など国際輸送部門で増加が続いた。
EUのGHG排出量は前年比0.2%減となり、前年(1.8%減)から削減ペースは鈍化したものの、1990年比では35.6%の削減(加盟国別削減率は添付資料表1参照)となった。世界全体に占めるEUの排出割合も前年の5.9%から5.8%へ低下した。
欧州委のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、9月16日の一般教書演説において、気候中立に向けた目標を維持する考えをあらためて示した。一方で、欧州議会ではグリーン・ディールが競争力や産業活動に与える影響を巡って会派間で意見が分かれた(添付資料表2参照)。各会派の意見、主張が分かれる中で、EUが日本などの信頼できるパートナーとの連携を強化しながら、クリーンテック分野でのリードマーケット創出やサプライチェーン強靭(きょうじん)化を進めながら、域内産業の製造業付加価値の拡大とエネルギー安全保障をいかに両立させるかが、引き続き注目される。
(注)世界のGHG排出量に占める割合が1%を超える国・地域。中国、米国、インド、EU、ロシア、インドネシア、ブラジル、イラン、日本、サウジアラビア、カナダ、メキシコ、韓国、トルコ、オーストラリア、ベトナム。
(薮中愛子)
(EU、中国、インド、米国、トルコ)
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