トランプ米大統領、連邦政府の民生用調達からカナダ原産品を除外する措置を発表

(米国、カナダ)

ニューヨーク発

2026年09月18日

米国のドナルド・トランプ大統領は9月16日、行政管理予算局(OMB)および米国通商代表部(USTR)に対して、連邦政府の民生部門の調達からカナダ原産品を除外するための措置を特定・実施させる大統領覚書に署名したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同日、ファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表した。

具体的には、OMB局長とUSTR代表に対して、民生用調達において、法律に合致する範囲内でカナダ原産品を排除または購入不可とすることができる措置を特定・実施するよう指示した。またUSTR代表に対して、カナダの米国原産品に対する扱いを監視し、さらなる措置の必要性や、カナダ側で改善がみられた場合における今回の措置の廃止などについて、大統領に報告するよう指示した。

今回の措置は、カナダによる米国企業への不合理または差別的な扱いへの対抗措置の一環だ。大統領覚書では、カナダ企業は米国政府調達制度への優遇的なアクセスを今もなお享受しているにもかかわらず、カナダ政府は米国企業に対し政府調達市場へのアクセスを制限していることを指摘した。

また、USTRは以前から、「バイ・カナディアン(Buy Canadian)」政策(注1)や、カナダの一部の州政府による米国企業の優遇除外措置に懸念を示しており、カナダがWTO政府調達協定(GPA)を含む国際的な政府調達上の取り決めと整合が取れたかたちで運用するよう求めていた(2026年4月9日記事参照)。9月8日には、トランプ氏がUSTRおよび米国政府一般調達局(GSA)に対し、500億ドル規模のカナダ産製品を多数供給者契約制度(MAS、注2)から除外するよう指示したとも発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。

米国は、追加関税措置に対して報復措置をとった国は中国とカナダのみ、としてカナダを以前から批判していた。1930年関税法第338条に基づき、米国は8月22日からカナダからの輸入に追加関税を賦課しており、9月29日からは特定製品の輸入を禁止する(2026年8月24日記事2026年9月9日記事参照)。カナダ側も対抗措置として、9月8日から米国原産の輸入品に対して米国と同程度の追加関税を課している(2026年9月9日記事参照)。今回の措置は、2国間の通商対立が、政府調達市場へのアクセス制限にも波及していることを示している。両国の摩擦はエスカレーションしており、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直し交渉の行方にも不確実性をもたらしている。

(注1)2025年12月16日にカナダ連邦政府が発効した、政府調達を通じて国内産業基盤の強化を図る政策。米政府は、カナダ州政府が本政策の下でカナダ製品やコンテンツを優遇するなどして、米国の中小事業者に不利益を与えると主張している。

(注2)GSAが管理する米連邦政府で最大規模の集中調達プログラム。複数の政府機関が共通して必要とする市販の製品やサービスを、多数の民間ベンダーから直接購入できる仕組み。

(清野華蓮)

(米国、カナダ)

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