パキスタンのデジタル人材と日本企業の連携事例紹介、ジェトロがセミナー開催
(パキスタン、日本)
カラチ発
2026年09月24日
ジェトロは9月15日、東京で「パキスタンITセミナー ~日本とパキスタンのデジタルパートナーシップ~」を開催した。経済産業省、日本・パキスタン経済委員会、国際協力機構(JICA)、在日パキスタン大使館との共催で行われ、パキスタンから来訪したデリゲーションや関係者も含めて100人以上が参加した。セミナーではパキスタンのIT産業やデジタル人材、日本企業との連携機会について紹介した。
冒頭にあいさつしたジェトロの奥村明子理事は、日本では2030年までに79万人のITエンジニア不足が見込まれる中、豊富なデジタル人材を擁するパキスタンは日本企業にとって有望な連携先になると述べ、ジェトロは日パ企業のビジネスマッチングや人材交流を通じて、両国のデジタルパートナーシップ強化を後押しする考えを示した。続いて赤松秀一駐パキスタン日本大使はビデオメッセージで、パキスタンでは政府関係者から一般市民に至るまで親日的な感情が広く共有されていると紹介し、日本企業にはJICAのビジネススタディーツアーなどを活用してぜひ現地を訪問してほしいと語った。また経済産業省の髙山成年通商政策局審議官は、IT・デジタル分野は日パ経済関係の新たな柱になり得るとの期待を示し、日本企業に経済産業省のグローバルサウス補助金の活用を呼びかけた。
急きょビデオ出演となったパキスタンのシャザ・ファティマ・カワジャIT・通信相は基調講演で、同国の強みとして人口の68%が30歳未満で、毎年約7万5,000人のIT人材を輩出していることを紹介し、パキスタンの若く優秀なデジタル人材が日本企業の成長に貢献できると強調した。また、日本企業による研究開発拠点の設置、人材交流の拡大に期待を示し、日本の製造業の技術力とパキスタンのデジタル人材の連携によって、人工知能(AI)や半導体など幅広い分野で新たな価値を創出できると訴えた。
その後のセミナーでは、ジェトロ・カラチ事務所の糸長真知所長によるパキスタンの経済概要説明に加え、パキスタンソフトウエア輸出委員会(PSEB)のファイサル・ジェディー最高経営責任者(CEO)が、日パ企業をつなぐマッチングプラットフォームの活用を通じ、対日IT輸出を今後1年で約3倍の6,000万ドル規模へ拡大する目標を示した。また、既にパキスタンに拠点を持つ長瀬産業とPlus Wの2社も登壇し、パキスタンITエンジニアの採用や人材育成に関する取り組みを紹介した。
髙山成年審議官(左から2人目)、奥村明子理事(同3人目)、アブドゥル・ハミード大使(同4人目)、ファイサル・ジェディー氏(同5人目)(ジェトロ撮影)
セミナー終了後にはパキスタンのスナックを囲んだネットワーキングが開催され、参加者が登壇企業にパキスタン人材の特徴について質問する様子もみられた。参加者からは「パキスタン人材はインド人材と比べ、話す英語の発音が聞き取りやすく感じられ、注目している」「パキスタンで開発したゲームを日本市場にも展開したいと思い、訪日デリゲーションに参加した」などの声が聞かれた。
(小柴里沙、糸長真知)
(パキスタン、日本)
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