インド保険規制開発局、保険販売制度に関する大規模改革案を公表

(インド)

ムンバイ発

2026年09月29日

インド保険規制開発局(IRDAI)は9月23日、保険販売制度の見直しに向けた公開協議文書「Recalibrating Economics of Insurance Distribution」を公表した。当改革案は、販売チャンネルごとに異なる規制体系の一本化、販売手数料体系の見直し、ミスセリング(不適切販売)防止策の強化などを柱とする大規模な制度改革案で、10月25日まで関係者から意見を募集し、制度設計の具体化を進める予定だ。

改革案では、個人代理店、企業代理店、保険ブローカー、保険比較サイトなどがそれぞれ異なる規制下で運営されている複雑な販売体系を見直し、販売主体を3種類に整理する方針を示した。具体的には、保険販売事業者(IDE)、保険販売担当者(IDP)、市場インフラ機関(MII)に再編する。併せて、保険販売事業者の参入要件や登録手続きを簡素化し、保険事業に加え、他の金融・非金融サービスとの兼営も認める方向性を示した。

また、IRDAIは保険販売手数料の上昇を課題として挙げている。協議文書によると、保険会社が販売代理店などへ支払う手数料やインセンティブは近年大幅に拡大しており、契約者に十分な価値をもたらしているか検証が必要だとしている。このため、手数料体系を商品特性や販売・サービス提供に要する労力などに応じて見直すことを提案している。

さらに、ミスセリング防止策も強化する。販売担当者の情報を契約にひも付けるほか、不適切な販売が認定された場合には手数料の返還を求める制度の導入を検討する。加えて、銀行やノンバンクの保険販売担当者に対する販売量や販売成果に連動した報奨制度を制限する方針を打ち出した。一方で、農村部や小都市など保険普及率が低い地域での販売には追加報酬を認める案も示しており、契約者保護と保険普及の両立を目指す。

今回の改革は、販売コストの抑制や透明性向上につながる可能性がある一方、銀行窓販や保険代理店の収益減少を招く懸念もある。販売インセンティブの低下により、短期的には新契約の伸びが鈍化する可能性があり、今後の動向が保険業界各社の事業戦略に与える影響が注目される。

(野本直希)

(インド)

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