ロシア、2027年の成長率を1.4%と予測、LNG輸出見通しは下方修正
(ロシア)
調査部欧州課
2026年09月30日
ロシア経済発展省は9月24日、「2027年および2028~2029年計画期間のロシア連邦社会経済発展予測」を公表した。実質GDP成長率の見通しについては、2026年を0.6%とし、基本シナリオでは2027年に1.4%、2028年に1.9%、2029年に2.4%へ上昇すると予測した。保守的シナリオでは2027年に0.7%まで鈍化するものの、2028年に1.3%、2029年に1.8%へと段階的に高まると見込んでいる。成長の主な牽引役として国内需要を挙げた。
2026年の鉱工業生産は前年比0.2%減、固定資本投資は5.4%減となる見通し。同省は投資減少の背景として、2020~2024年に投資が大きく増加した反動と引き締め的な金融環境が続くことを挙げた。一方、実質賃金は4.0%増、小売売上高は4.6%増を見込む。
一方、同省は、ロシアの伝統的輸出品に対する需要の減少と輸出価格の下落を、予測上の主な外部リスクに挙げた。経常収支の黒字は、2026年のGDP比1.6%から、2027年には0.6%、2028~2029年には0.4%へ縮小すると見込む。インターファクス通信(9月24日)によると、同省は2026年の液化天然ガス(LNG)輸出見通しを従来の4,030万トンから3,500万トンに引き下げ、2027~2029年についても従来見通しから下方修正した。
ロイター(9月24日)によると、マクシム・レシェトニコフ経済発展相は、天然ガス関連の輸出見通しについて、EU向け供給の減少や中国向け供給の伸びの鈍化に加え、LNG輸出、とりわけ制裁下にあるアークティックLNG2の制約を考慮したと説明した。アークティックLNG2は、ロシア北部のギダン半島で年間1,980万トンのLNG生産を計画する大型事業。同事業はロシアの既存LNG事業に加わる新たな輸出拡大の柱として期待されていたが、本プロジェクトの操業会社は2023年11月に米国の制裁対象に指定された。精製したLNGの輸送に必要なタンカーなども制裁対象に加わるなど、輸送・販売面で制約を受けてきた。同事業には、三井物産とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が共同出資するJapan Arctic LNG B.V.が10%出資している。今回確認した公表資料や報道では、アークティックLNG2がLNG輸出見通しの下方修正幅に占める具体的な割合は示されていない。
(後藤大輝)
(ロシア)
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