タミル・ナドゥ州首相、英国で総額1,530億ルピーの投資案件に関する覚書締結

(インド、英国)

チェンナイ発

2026年09月29日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州のジョセフ・C・ビジャイ州首相は9月11~16日にかけて英国を訪問し、総額1,530億ルピー(約2,601億円、1ルピー=約1.7円)の投資案件に関する覚書(MOU)や意向表明書(LOI)を締結した。州政府によると、これらの案件により州内で1万人以上の雇用創出が見込まれている。今回の訪問は、先進製造業、自動車・電気自動車(EV)、エレクトロニクス、グローバル・ケイパビリティー・センター(GCC)の分野で新規投資を呼び込むことを目的とし、ビジャイ州首相就任後、初の海外訪問となった。

主な成果として、インドの自動車部品大手サンバルダナ・マザーサン・インターナショナルと同社の欧州・英国の合弁企業は、約1,100億ルピーを投資する覚書を締結し、設計、エンジニアリング、生産、組み立て、物流分野で約7,000人の雇用創出を見込む。また、欧州系自動車部品メーカーが初の製造工場設立に向けて、約300億ルピーの投資に関するLOIを正式に提出したと現地紙が報じている(「タイムズ・オブ・インディア」紙9月17日)。英国の変圧器メーカーであるウィルソン・パワー・ソリューションズは州北東部ティルバルール県で約30億ルピーを投資する計画で、約400人の雇用創出を見込む。

このほかGCC関連では、スウェーデンのシグマ・テクノロジー・グループはチェンナイおよびティルチラーパッリでGCC事業を拡大するための覚書を締結し、約600人の高度人材雇用を計画する。英国コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、GCCが集積する回廊の1つとして州政府が計画するチェンナイ近郊のマウント・プーナマリー・ロードで新たなGCC設立に向け、約100億ルピーの投資と2,000人超の高度人材雇用の方針を示した。

ビジャイ州首相は、7月15日に発効した英国とインドの包括的経済貿易協定(CETA)により生まれるビジネス機会を強調し、企業に対して同協定を活用した投資、貿易、原料調達の拡大を呼びかけた。州政府は今回の英国訪問について、外資誘致や雇用創出につながる成果を上げたとして評価する一方、野党からは訪問の詳細や成果などについて説明を求める声が上がっている。

(数実奈々)

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