タイ・エネルギー省、新たな電力開発計画(PDP2026)案で公聴会を実施

(タイ)

バンコク発

2026年09月25日

タイのエネルギー省は、2026年から2050年までの新たな電力開発計画(PDP2026)案を策定し、2026年9月8日から15日まで公聴会を実施した。

計画期間は2段階に分けられる。2026年から2037年までの期間には、ガス火力発電、太陽光や風力などの再生可能エネルギー、小型モジュール原子炉(SMR)や蓄電池システム(BESS)など、計5万900メガワットの発電・蓄電設備を導入する計画だ。2038年から2050年については、4つのシナリオの中から最適な方向性を選択する方針を示している。

4つのシナリオのうち、「Base Case」シナリオでは2050年のクリーン電源比率を65%、温室効果ガス(GHG)排出量を51.5MtCO2eq(注)と想定しており、タイ政府がエネルギー部門に求めるネットゼロ目標の達成に必要な水準を下回るとみられる。「CCSによるネットゼロ」シナリオでは、クリーン電源比率を65%、GHG排出量を19.1MtCO2eq、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)によるCO2の回収量を32MtCO2eqと想定している。「再生可能エネルギーによるネットゼロ」シナリオではクリーン電源比率を89%、GHG排出量を16.6MtCO2eqとする。さらに、「再生可能エネルギーとCCSによるネットゼロ」シナリオでは、クリーン電源比率を73%、GHG排出量を19.1MtCO2eq、CCSによるCO2の回収量を21MtCO2eqと想定している。

現地報道によると、エネルギー政策計画局(EPPO)は、再生可能エネルギーとCCSを組み合わせた4つ目のシナリオを有力視している(9月8日付「ザ・スタンダード」紙)。

PDP2026案は、直接電力購入契約(ダイレクトPPA)の対象拡大や第三者による送配電網利用の促進、スマートグリッドの整備も進める方針を示している。これにより、電力システムの安定性と柔軟性の向上を図るほか、電気料金を競争力のある水準に維持するとともに、人工知能(AI)、データセンター、先端産業などへの投資誘致を促進するとしている。

「タイPBS」紙(9月9日付)によると、同案は2026年11月中に閣議に提出される見込みだ。

(注)「MtCO2eq(Million metric tons of carbon dioxide equivalent)」は二酸化炭素(CO2)換算で100万トンの温室効果ガス排出量を示す単位。

(ピンラウィー・シリサップ、野田芳美)

(タイ)

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