ウクライナ、貨物の鉄道通過料金の割引でモルドバと合意、輸出ルート振り替え進む

(ウクライナ、ロシア)

調査部欧州課

2026年09月24日

ロシア、ウクライナ双方による黒海・アゾフ海の穀物ターミナルや貨物船へのドローン攻撃が激化している。同港湾を通じた輸送リスクが高まる中、農産品の輸出を黒海ルート以外の代替ルートに振り替える動きが広がっている。ウクライナはモルドバ、ドナウ川方面、ロシアはバルト海方面の活用を進めており、黒海に集中していた穀物の商流が分散し始めている。

ウクライナ農業政策・食料省の発表(911日)によると、919日に代替ルートで輸出した農産品は63万トンで、物流が正常に機能した場合に想定される輸出量の約40%だった。8月の33%から改善したものの、穀物単独では38万トン、平時の35%にとどまった。政府は鉄道、道路、ドナウ川などの代替ルートを拡充している。ウクライナ政府はモルドバ政府との間で、810日から年末まで、ウクライナ貨物の鉄道通過料金を50%割引することで合意した(ウクライナ政府発表812日)。

ロシア側でも、主要な穀物輸出拠点であるノボロシースク港などの稼働制約を受け、ロシア産穀物の商流は、黒海から北西部へ移り始めている。インターファクス通信(812日)によると、農業省は現在の物流上の制約を踏まえ、穀物・油脂製品の貨物輸送をバルト海、カスピ海、極東の港湾および陸上ルートへ振り替える作業を進めている。

農業コンサルティング会社ソブエコンのマネージングダイレクター、アンドレイ・シゾフ氏は、北西部・バルト海経由が現在の主要な代替ルートになっていると指摘し、9月にはバルト諸国とロシア国内のバルト海港湾を経由する出荷が大幅に増えるとの見方を示した。ロシア穀物連合のアルカジー・ズロチェフスキー会長は、バルト海の港湾の処理能力に限界があり、黒海の港湾機能を完全に代替できないと指摘した(ロイター831日)。

(後藤大輝)

(ウクライナ、ロシア)

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