ジェトロ、米国渡航プログラムを実施、日本の医療スタートアップ4社の米臨床データ取得を支援

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2026年09月29日

ジェトロは9月14~18日、米国サンフランシスコで「J-StarXメディカルデータ活用プログラム」の第1段階となる米国渡航プログラムを実施した。同プログラムに採択された日本発医療スタートアップ5社のうち、4社〔ライフスケイプス(LIFESCAPES)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、クレインバイオ(Cranebio)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、デリスペクト(DELISPECT)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、スプリンク(Splink)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕が渡航プログラムに参加した。

同プログラムでは、米国市場への事業展開に必要となる米食品医薬品局(FDA)への申請などを見据え、臨床エビデンスから逆算し、研究計画の策定や、臨床データの取得・検証などを支援する。既存の医療データを活用した検証に加え、研究開始後に患者の臨床データを新たに取得する前向き研究(注1)にも対応する点が特徴だ。

一方、米国で前向き研究を行うには、現地の医療機関や研究施設などと研究内容を調整し、契約手続きや施設内倫理審査委員会(IRB、注2)の審査などを進める必要がある。このため、同プログラムの連携機関であるセラノバ(TheraNova、注3)は4社に対し、現地の協力機関の選定・紹介に加え、契約調整やIRB申請などを支援する。4社は2027年3月までに、米国の連携先にて臨床データの取得・検証を進める。

今回の渡航プログラムにおいて、参加した4社は、ヒューマンファクター(注4)やQサブミッション・プログラム(Q-Sub、注5)について専門家から助言を受けた。そのほか、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者や臨床医、現地のキー・オピニオン・リーダー(KOL、注6)との意見交換を通じ、各社の技術を活用した臨床検証や共同研究の可能性を検討した。

写真 UCSF訪問の様子(ジェトロ撮影)

UCSF訪問の様子(ジェトロ撮影)

セラノバのダン・バーネット最高経営責任者(CEO)は「日本の有望なスタートアップを、ベイエリアの活発なイノベーション・エコシステムにつなげられたことをうれしく思う。今後も米国で日本のスタートアップを支援するとともに、日本の医療技術エコシステムとの関係を深め、スタートアップをより早い段階から支援し、成功の可能性を高めたい」と意欲を示した。

(注1)あらかじめ対象者、評価項目、観察方法などを定め、研究開始後に新たなデータを収集する研究手法。既存データを用いる後ろ向き研究と異なり、研究実施先の確保、契約、IRB審査、対象者の募集などの手続きが必要となる一方、検証目的に沿った臨床データを取得できる。

(注2)人を対象とする研究について、研究の倫理性や参加者の権利、安全などを審査する委員会。

(注3)サンフランシスコを拠点とする医療機器・デジタルヘルス分野のインキュベーター。

(注4)医療機器の使用ミスやそれに伴うリスクを減らすため、使用者との関わりを踏まえて設計・評価する考え方。

(注5)FDAへの正式申請前に、申請者がFDAとの面談や書面によるフィードバックを得る仕組み。

(注6)医学・医療分野の医師や研究者などに影響力を持つ専門家。

(武田史織)

(米国、日本)

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