カナダ、初の投資サミットを開催、約5,000億カナダ・ドルの投資表明

(カナダ)

調査部米州課

2026年09月30日

カナダ政府は9月14〜15日、トロントで投資招致イベント「カナダ投資サミット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を初めて開催した(カナダ首相府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同サミットには、約30カ国から、運用資産総額が100兆カナダ・ドル(約1京1,100兆円、Cドル、1Cドル=約111円)超となる投資家が集まった。投融資枠の新設に基づいて約5,000億Cドルの新たな投資コミットメントが示されたほか(添付資料表参照)、税制優遇措置などが発表された。

今回のサミットには、国内外の投資家からカナダへの新たな投資を呼び込む狙いがあったとみられる。グローバル・リスク・インスティテュート(注1)が2024年に公表した報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、カナダの年金基金による国内上場株式・債券、不動産などへの投資割合が、過去10年間で大幅に低下したと指摘している。投資先の国際分散に加え、国内で投資可能な戦略的資産が不足する一方、海外ではこうした資産への投資機会が増えたことが背景にある。一方、カナダ政府は、同国が有望な直接投資先として継続的に高く評価されているとし、高い信用格付け(注2)やG7で最も低い純債務残高対GDP比などを強みに挙げている。今回のサミットは、こうした強みをアピールすることで、インフラや資源開発などの大規模プロジェクトへの投資を呼び込んだ。

またサミットでは、生産性超償却制度の導入が発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。背景には、国内の労働生産性の伸び悩みや事業投資の不足への危機感がある。OECDが2025年に公表した報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、カナダの労働者1人当たりの事業投資は主要OECD諸国を大幅に下回り、特に情報通信技術、機械・設備、知的財産への投資が弱い。1時間当たりの労働生産性の伸び率も、2015~2023年に年平均0.8%にとどまり、OECD平均を下回り、米国に大きく後れを取っていた。同制度により、企業は新規事業投資にかかる実効税率が低下し、投資にかかるコストを低減し、設備投資を促進することが期待される。

「グローブ・アンド・メール」(9月24日)によれば、日本からは、みずほフィナンシャルグループ、日本生命保険、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の3つの金融機関が招待された。

(注1)カナダ政府、オンタリオ州政府、金融業界関係者などにより2011年に設立された、金融リスクに関する調査を行う非営利の官民連携組織。

(注2)ムーディーズ、S&P、DBRSはAAA相当、フィッチはAA+としている。

(木村勇翔)

(カナダ)

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