スロベニア国営の送電事業者・ガス輸送事業者と横河電機が水素エコシステム構築に向けた協力覚書締結

(スロベニア、日本)

ウィーン発

2026年09月25日

スロベニアの国営送電事業者エレス、国営ガス輸送事業者プリノボディ、および日本の横河電機は9月10日、スロベニア全土における水素エコシステムの構築に向けた協力覚書(MOU)を締結したと発表した(プレスリリース、エレス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、横河電機外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

覚書では、電力・ガス・水素インフラの連携強化を通じて、再生可能エネルギーの導入拡大に伴うエネルギー安全保障と供給安定性の向上を目指す。具体的には、電力・ガスの送電網と接続する水素プラントの実証事業や、両インフラの統合運用を支えるデジタルソリューションの共同検討を進める。また、重要インフラの保守・維持管理を支援する水素活用ソリューションや、移動式バックアップユニットと急速充電ユニットの機能を兼ね備えた多目的設備の導入も視野に入れる。

エレスは、スロベニアの送電網運営によって培った知見を活用し、低炭素水素を基盤とする水素エコシステム構築を推進する。プリノボディは、ガス輸送インフラや欧州水素回廊との接続、水素輸送網の整備に関する経験を提供する。一方、横河電機は、産業オートメーションやデジタル化、水素関連プロジェクトで培った国際的な知見を持ち寄る。

本覚書に基づく協力活動は、横河電機の子会社であるヨコガワ・ヨーロッパが主導し、第1段階として、スロベニアのエネルギーインフラへの水素導入に向けた技術面、運用面、事業面での実現可能性を調査する。

本覚書の締結について、横河電機は、日本とスロベニアの産業協力における新たな節目となるものであり、エネルギー安全保障や脱炭素化といった共通課題の解決に向け、日本と欧州の連携強化の重要性を示すものとしている。エレスのアレクサンダー・メルバル最高経営責任者(CEO)は、「この協力により培われる専門知識や技術的ノウハウ、運用面での知見は、スロベニア国外の重要エネルギーインフラにも応用でき、欧州全体における、より強靱(きょうじん)で柔軟かつ持続可能なエネルギーシステムへの移行を後押しすることにつながる」と述べた。

スロベニア政府は、2025年1月に公表された国家エネルギー・気候計画(NECP)の最終版において、再生可能エネルギーの導入拡大と産業部門の脱炭素化を柱とする新たな目標を打ち出した。計画によると、2033年までに電力生産に占める再生可能エネルギー(RES)の割合を少なくとも55%とするほか、暖房・冷房分野では少なくとも45%、輸送分野では少なくとも26%とする目標を設定した。電力部門では、遅くとも2033年までに石炭火力発電所をすべて閉鎖する。排出削減が難しい産業分野については、水素を含む再生可能・低炭素ガスやグリーン燃料の活用を促進する計画だ。

(エッカート・デアシュミット)

(スロベニア、日本)

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