米EIA、ホルムズ海峡制約で原油供給懸念長期化を予測、紅海情勢も悪化
(中東、米国、世界、イラン、オマーン、イエメン)
調査部中東アフリカ課
2026年08月12日
米国エネルギー情報局(EIA)は8月11日付プレスリリース
において、中東地域における原油生産の減少が7月時点予測(2026年7月10日記事参照)より長期化するとの予測を発表した。ホルムズ海峡の通航制約は少なくとも8月中は継続すると想定する。中東地域における原油生産の大部分は2027年初頭までに米国・イスラエルとイラン間の紛争開始前の平均水準近くまで回復すると見込む一方、日量約60万バレルの継続的な供給障害が2027年末まで続くとしている。
原油価格については、2026年第3四半期のブレント原油価格平均は1バレル当たり85ドルと予測し、前月時点予測から3ドル引き上げた。今後数カ月にわたり、世界の石油在庫がさらに減少すると見込む。生産量の回復に伴って2027年には1バレル69ドルまで下落するとしているが、これも前月時点予測から4ドル上昇している。
日本にとって石油の主要代替輸入国である米国(2026年8月3日記事参照)の原油在庫は、2026年末まで過去5年間の最低水準を下回る状況が続くと予測する。原油輸出の増加、輸入の減少、製油所の高い稼働率により、4月中旬以降毎週、原油在庫の減少が続く。米国の原油生産については、今後2027年にかけて1,400万バレル前後の安定した生産が見込まれるという。
予断を許さないホルムズ海峡、紅海情勢
ホルムズ海峡を巡っては、イランとオマーンの間で新たな航路運用を巡る交渉妥結が近いと報じられているが、合意成立後ただちに海峡通航の全面的な再開には至らないという(8月8日付ロイター通信)。
サウジアラビア産原油の主要代替ルートでもある紅海の情勢も依然不安定だ。2026年7月以降、紅海では商船への攻撃が再発し(2026年7月24日記事参照)、英国海事機関(UKMTO)は8月に入って2件の紅海およびアデン湾における船舶攻撃を報告している。うち8月11日の攻撃については、イエメンのフーシ派によるものだと報じられている(8月11日付ロイター通信)。国連は、イエメンは2022年の国連仲介停戦以降で最大の大規模紛争再燃リスクに直面しているとしており、紅海情勢についても予断を許さない状況が続く。
(塩川裕子)
(中東、米国、世界、イラン、オマーン、イエメン)
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