中国外交部、AI協力イニシアチブに関する米国の対応について態度表明、各国がパートナーを選択する権利を主張
(中国、米国)
北京発
2026年08月21日
中国外交部は8月19日、米国政府が「人工知能(AI)の機会に関する共同声明
」(注1)の署名国に対し、米国のイニシアチブと衝突する他のメカニズムに同時に加入しないよう求めたと報じられたこと、また、米国政府関係者が、本件の趣旨は米国と中国両国のAIエコシステムには同時に加入できないことを各国に明確に示すことにあると指摘したことについて質問を受け、回答した。
外交部は、AIは全人類共通の知恵の結晶かつ貴重な宝であり、国際社会はAIに関して広く協力することを期待しており、各国には自国の状況や発展のニーズに基づいて協力パートナーを選ぶ権利があると指摘した。その上で、中国はAIの問題において、どちらか一方を選ばせる行為や陣営による対抗に断固反対すると表明した。また、各国に対して、ゼロサム思考を捨て、心を合わせて協力するとともに、各国のデジタル主権を尊重し、公正かつ合理的なグローバルAIガバナンスシステムを共に構築し、AIを、共通の繁栄を促進し共通の安全を維持する重要なエネルギー源とするよう呼びかけた。
なお、中国は習近平国家主席が7月17日、上海市で開催された「2026世界AI大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議」の開幕式において、世界AI協力機構の設立を宣言した(2026年7月23日記事参照)。同機構に関しては発足当初に29カ国が署名したとされている。加盟国の一覧は現時点で公表されていないが、中国外交部の公表している情報によると、同機構の設立協定署名式にはカザフスタン、ラオス、パキスタン、ロシア、インドネシアなどが参加したほか、ブルネイ、トーゴ、イラン、スーダン、ベトナム、ジョージア、タンザニア、ドミニカ共和国が署名したとされている。
このほか、中国商務部は7月27日、米国政府高官が中国のAI企業による米国の先端AIモデルの「蒸留」(注2)に対する調査を表明した件について談話を発表し、一部の中国AIモデルは既にトップの位置にあるとし、米国による制裁の威嚇は典型的なAI覇権主義的行動だと指摘した(2026年8月6日記事参照)。米中摩擦がAIにも拡大する傾向にあり、今後の米中間の協議などで本問題がどのように扱われるか注目される。
(注1)同共同声明は米国国務省が6月25~26日、ワシントンで第2回「パックス・シリカ・サミット」を開催した際に発表されたもの。AI関連のサプライチェーンの安全性を確保しつつ、同分野における成長やイノベーションを促進する規制を協力して構築するための取り組みで、35カ国・地域が署名した(2026年6月30日記事参照)。
(注2)大規模で高性能なAIモデルの学習データを、より小規模なモデルに移転させる行為。
(小宮昇平)
(中国、米国)
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