中国商務部、米国301条関税など各種措置に対する談話を相次ぎ発表、米中首脳会談の合意に基づく協議は継続

(中国、米国)

北京発

2026年08月06日

中国商務部は7月27日、米国通商代表部(USTR)が7月23日(米国東部時間)に発表(適用は7月24日)した1974年通商法301条に基づく追加関税措置(2026年7月24日記事参照)を受け、報道官談話を発表した。談話では、同措置は典型的な一方的、保護主義的行為であり、断固反対すると表明した。また、今後の措置を注視し、あらゆる必要な措置を取る権利を留保するとした。他方、引き続き米国との対話と協議を通じて懸念を解決すると表明し、米国が経済貿易協議の合意を中国と共同で維持・実施し、米中の「建設的戦略安定関係」に貢献することを望むとした。

中国AI企業への調査や人型ロボット輸入禁止にも反発

商務部は同日、米国政府高官が公表した中国の人工知能(AI)企業による米国の先端AIモデルの「蒸留」(注1)に対する調査実施についても談話を発表した。談話では、一部の中国AIモデルはすでにトップの位置にあるとし、米国による制裁の威嚇は典型的なAI覇権主義的行動だと指摘した。

また、外交部報道官は7月29日、米国連邦通信委員会(FCC)による人型ロボットの輸入禁止に対し、「米国による国家安全保障概念を乱用した中国企業に対する抑圧に一貫して断固反対する。保護主義は米国の競争力向上には寄与せず、米国の企業・消費者の利益を損なうのみだ」と指摘し、必要な措置を取るとした(2026年8月3日記事参照)。商務部も7月30日の談話で、同措置の撤回を求め、対抗措置の実施を示唆した。

「貿易委員会」や一部の関税引き下げについては協議中

一方、5月の米中首脳会談での合意に基づく動きは継続されている。

王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長は7月22日、米国のマルコ・ルビオ国務長官とフィリピン・マニラで会談した。外交部によると、王氏は、現在のわれわれの責任は、両国首脳の定めた方向に沿って、干渉を排除し、障害を克服し、首脳間の合意を政府全体や各分野の合意と行動につなげていくことであると表明した。また、双方は、各種チャンネルを活用し、今後のハイレベル交流の準備を整え、両国の「建設的戦略安定関係」を実質的に進展させていくことに合意したとしている(注2)。

また、商務部当局者は7月23日、米中首脳会談で合意した「貿易委員会」の設立について、米中双方が同委員会の枠組み、機能、運営方式などを緊密に協議しているとした。このほか、双方は300億ドル規模の対等な関税引き下げを検討しており(注3)、早期に具体的な内容を決定・実施していくとした(注4)。

(注1)大規模で高性能なAIモデルの学習データを、より小規模なモデルに移転させる行為。

(注2)このほか、公安部の王小洪部長は7月24日、米連邦捜査局(FBI)のカシュ・パテル長官と北京市で会談し、麻薬対策や電信ネットワーク詐欺などの分野での実務的協力の強化や法執行分野での交流協力の強化に合意した。

(注3)商務部によると、中国側では国内企業や業界団体、地方政府、米系企業団体などを対象に関税引き下げに関する意見募集を実施している。米国側も貿易委員会設置に関するパブリックコメントを募集している(2026年6月4日記事参照)。

(注4)7月30日には米中両国の経済貿易協議代表である何立峰副首相(中国共産党中央政治局委員)と米国のスコット・ベッセント財務長官、ジェミソン・グリアUSTR代表がオンライン協議を実施したことも発表された。

(小宮昇平)

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