タミル・ナドゥ州投資会議で97件の覚書締結、総額6,745億ルピー

(インド)

チェンナイ発

2026年08月26日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州政府は8月13日、州都チェンナイで投資会議「Vettri Tamil Nadu Investors Conclave 2026」を開催した。同会議では97件の投資案件と7件の国際協力・人材育成・技術移転に関する協力覚書が締結されたほか、13件のプロジェクトの定礎式などが行われた(添付資料参照)。投資総額は6,745億2,000万ルピー(約1兆1,466億8,400万円、1ルピー=約1.7円)、雇用創出効果は10万6,998人を見込む。

今回の投資会議は、2026年5月に発足したTN州新政権(タミル勝利連盟、TVK)にとって初の大規模投資誘致イベントとなった。会議には国内外の企業や関係機関が参加し、自動車、データセンター、電子・半導体、ライフサイエンス、再生可能エネルギー、航空宇宙分野を中心に幅広い投資案件が発表された。州投資促進機関(ガイダンス・タミル・ナドゥ)によると、約25社が初めてTN州に進出する予定だ。

個別案件では、地場新興企業のライト・ハウス・グリーン・データセンターが州南部トゥートゥクディ(旧ツチコリン)で人工知能(AI)対応のハイパースケールデータセンターの建設を計画し、投資額1,000億ルピーの案件を発表した。また、自動車関連ではJK タイヤが514億3,000万ルピー、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルが400億ルピー、ルーカスTVSが250億ルピーの投資を発表した。

外国企業による投資案件では、サンゴバン(フランス、板ガラス製品)が州西部クリシュナギリ県での新工場建設とチェンナイ南西部カーンチープラム県での設備拡張に合計200億ルピーを投じる計画を示した。日系企業では、YKKが州北東部ティルバルール県で165億1,000万ルピーを投じる。同社関係者によると、需要拡大が続くインド市場への対応強化を目的に、チェンナイ北郊のオリジンズ工業団地(ORIGINS by Mahindra)にインド3拠点目となる工場を建設する計画だ。

成長分野として州政府が特に重視するデータセンター・AI分野では、ライト・ハウス・グリーン・データセンターに加え、エアテル系のネクストラ・データセンターもチェンナイおよびティルチラーパッリでの事業拡張に141億7,000万ルピーを投資する計画を発表した。

また、航空宇宙分野では、民間宇宙関連企業のアグニクル・コスモス(40億ルピー)とスカイルート・エアロスペース(25億ルピー)が、建設が進むクーラセカラパッティナム宇宙港に近いトゥートゥクディでの投資計画を発表した。

そのほか、TN州政府は、カザフスタンやニュージーランド、ロシアの機関などと7件の協力覚書を締結した。内容は技術移転や人材育成、AI分野での協力など産業基盤強化を目的とするものが中心だった。

TN州では近年、投資会議を通じた大型案件の誘致を継続している。2025年8月のトゥートゥクディ会議では41件、総額3,255億ルピー(2025年8月12日記事参照)、同年9月のホスール会議では92件、総額2,431億ルピー(2025年9月22日記事参照)、同年11月のコインバトール会議では158件、総額4,384億ルピー(2025年12月8日記事参照)の覚書が締結されている。今回の6,745億2,000万ルピーは、投資額ベースでこれらを大きく上回る水準となった。今後は、覚書案件の着実な事業化と投資実行が注目される。

(道法清隆、ビバー K. V.、藤井芳彦)

(インド)

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