英政府、ゼロエミッション車の販売割合義務付け見直しに向け意見公募を開始
(英国、EU)
ロンドン発
2026年08月19日
英国政府は8月14日、ゼロエミッション車(ZEV)の販売割合義務付け(ZEVマンデート、2025年4月15日記事参照)の見直しに向けた意見公募
を開始した。10月23日まで意見を募集する。政府は、2027年初頭までにZEVマンデートの再検討を行うと表明していた。
政府は本意見公募において、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止し、2035年までに乗用車・バンの新車販売をゼロエミッション化するという目標は据え置くとした。他方で、中東情勢、燃料・エネルギー価格の高騰、貿易動向、生活費の上昇圧力などがサプライチェーンや生産コストに影響を与えていることなどを踏まえ、各年の販売目標設定や柔軟措置の在り方などについて意見を求める。主な検討事項は次のとおり。
- 各年のZEV販売目標の見直し(詳細は添付資料表参照)。
- 2029年まで認めている各種柔軟措置の延長。具体的には、非ZEVの排出削減要件の過達成分のZEVマンデートのアロウアンス(注1)への互換を認める変換(CO2 conversion)、アロウアンスの前借り(borrowing)、繰り越し(banking)、乗用車・バン間での過達成分の交換(bidirectional van to car and car to van transfer)を2034年まで延長することを検討する。
- 電力系統への双方向給電(V2G)、家庭への双方向給電(V2H)などの技術にクレジットを付与する優遇措置の導入。
- 目標未達時に支払うコンプライアンス料金の水準の再評価。
- プラグインハイブリッド車(PHEV)の排出量の扱い(注2)。
- EUの産業加速法案(IAA、2026年3月13日記事参照)を踏まえた対応。
- 2030年以降も販売可能なハイブリッド車(HEV)の定義。
ZEVマンデートを巡っては、英国自動車製造者販売者協会(SMMT)が政府に対し見直しを求めていた(2026年7月7日記事参照)。同協会のマイク・ホーズ会長は同日、政府の発表に対し声明
を発表。見直しの検討を歓迎しつつ、「本協議を早急に完了させ、2027年以降の見通しを明確にし、収益性、競争力、そして投資先としての英国の魅力をさらに損なうことを回避しなければならない」と述べた。
(注1)各メーカーの販売台数と当該年の目標割合に応じて、アロウアンスが毎年付与される。メーカーは、当該年に販売したゼロエミッションではない乗用車またはバン(非ZEV)1台当たりに対して1つのアロウアンスを使用する。
(注2)政府によると、PHEVの排出量算定に用いられている、電気で走行する時間の仮定値が実測値よりも高いことにより、PHEVの排出量削減効果が過大に評価されている。
(齊藤圭)
(英国、EU)
ビジネス短信 5674d601418af413





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