米・イスラエルによる対イラン軍事行動から半年、米国は経済圧力を強化

(米国、イスラエル、イラン、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦、パレスチナ、レバノン、中東)

テルアビブ発

2026年08月31日

米国とイスラエルがイランに対する大規模攻撃を開始(2026年3月2日記事参照)してから8月28日で半年が経過した。2月28日の攻撃では、イランの核・ミサイル関連施設や軍事指揮系統が標的となり、最高指導者アリー・ハーメネイー氏を含む軍・政府要人が死亡した。これに対しイランはミサイルや無人機による報復攻撃を実施し、湾岸諸国の米軍関連施設やインフラを攻撃した。中東各国では空域閉鎖や航空便の運休が相次いだ。

4月にはパキスタンの仲介により米国とイランが2週間の停戦に合意した(2026年4月8日記事参照)。その後、両国は恒久的な戦闘終結に向けた覚書(MOU)を締結したものの(2026年6月19日記事参照)、制裁解除やホルムズ海峡管理を巡る協議は難航しており、恒久的な和平合意には至っていない。

米国では、対イラン政策の重点が軍事行動から経済圧力へ移っている。米国財務省は8月24日、「エコノミック・アウトキャスト作戦」を開始し、スコット・ベッセント財務長官は「イラン政権を支えるあらゆる経済的生命線を断ち切ることが目的だ」と述べた。石油取引、金融決済、第三国を経由した資金移動が主な対象となっている(2026年8月25日記事参照)。さらに8月28日には、エジプトの国営銀行バンク・ミスルのアラブ首長国連邦(UAE)支店について、米ドル決済網へのアクセスを事実上遮断する措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米財務省は、同支店がイランの制裁回避を支える金融ネットワークに関与し、2024年1月から2026年6月までの間に約18億ドルの取引を処理したと指摘している。

イスラエルでは、イラン対応と並行してガザおよびレバノン情勢への対応が続いている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は8月9日、ガザ和平ロードマップを拒否するとともに、「ハマスが武装解除されるまでイスラエル国防軍(IDF)は撤退しない」と表明した。また、「私が首相である限りイランは核兵器を保有しない」と述べ、レバノンでの対テロ作戦継続にも言及した(2026年8月12日記事参照)。

一方イランでは、アッバス・アラグチ外相は8月28日、自身のX(旧Twitter)への投稿で、「外交を軌道に戻すことは不可能ではない」と述べる一方、「圧力は機能しない」として米国の対イラン圧力政策を批判した。また、米国に対し「信頼を築き、敬意をもって対話し、イランの権利を認め、約束を履行すべきだ」と主張した。

画像 対米外交に関するアラグチ・イラン外相のコメント画面〔X(旧Twitter)のアッバス・アラグチ外相公式アカウントより〕

対米外交に関するアラグチ・イラン外相のコメント画面〔X(旧Twitter)のアッバス・アラグチ外相公式アカウントより〕

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、イラン、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦、パレスチナ、レバノン、中東)

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