タイ、「サイアム・シリカ」計画を発表、半導体人材を育成
(タイ、ASEAN)
バンコク発
2026年08月10日
タイ高等教育・科学技術イノベーション省(MHESI)は7月28日、半導体(IC)・エレクトロニクス産業の発展に向けて、人材育成を含めた支援策の枠組みを発表した。
同27日に開催されたMHESIの会合
では、ヨッチャナン・ウォンサワット副首相兼高等教育・科学技術相やMHESI・国立科学技術開発庁(NSTDA)の関係者らが検討を行った。タイ政府は国家半導体ロードマップ(2026年1月15日記事参照)の下、2030年までに、集積回路(IC)設計を8拠点、前工程を1拠点、高度パッケージングを2拠点設置する目標を掲げている。
この目標達成のため、ヨッチャナン副首相は7日27日、人材育成を含む半導体エコシステムの構築を目指す「サイアム・シリカ」計画を発表した。このため、NSTDAは、指導者152人、研究者・専門家950人、エンジニア553人、技術者1,330人の確保が必要と定めた。また半導体分野のうち、フォトニクス・ファブ(光半導体製造)、高度パッケージング、IC設計、量子フォトニクス、パワーデバイスなどに注力する方針だ。
フォトニクス分野では、タイ投資委員会が30日、エヌビディアなどデータセンター関連の光ファイバーケーブル・通信機器などについて、過去5年間で827億バーツ(約3,887億円、1バーツ=約4.8円)相当の投資申請があったと発表
している。また、NSTDAのスリン・カムファイ副長官は、大手企業の組み立て拠点が立地するプリント回路基板(PCB、PCBA)についても、有望な投資誘致分野との見方を示した(2025年3月13日付地域・分析レポート参照)。
人材育成策としては、MHESI傘下の「国家半導体訓練センター」(NSTC)
の下、学部向けの実践的なカリキュラム「IC設計サンドボックス」、産業界のニーズに基づく能力評価による人材育成「タイランド・スキルブリッジ」
、半導体・ハイテク産業へのリスキリング・アップスキリングを支援するデジタル基盤「STEMプラス・プラットフォーム」
などを推進する。
また地域連携に向けて、ヨッチャナン副首相は6月に「ASEANチップ法」案を提案
。同案にはフォトニクスやPCBを含め、人材育成や交流促進、基板設計の研究アクセス支援、環境配慮型の製造プロセス、エネルギー効率の推進などが盛り込まれている。ASEANでは、2045年までの取り組みを定めた「ASEAN半導体サプライチェーン統合枠組み(AFISS)」が採択されている(2025年11月27日記事参照)。
(藪恭兵)
(タイ、ASEAN)
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