ナミビアで人民元国際決済システム(CIPS)サービスが開始、中国とは重要鉱物など多分野で協力を強化

(中国、ナミビア、南アフリカ共和国、アフリカ)

北京発

2026年08月17日

南アフリカ共和国の大手銀行スタンダードバンクのナミビア現地法人は8月10日、ナミビアにおいて、人民元国際決済システム(CIPS、注1)のサービスを開始したと発表した(注2)。開始式典に登壇した同法人のErwin Tjipuka最高経営責任者(CEO)は、CIPSのナミビアへの導入により、顧客に迅速な決済と為替リスクの低減を通じて競争優位性をもたらせると表明した。また、趙衛平駐ナミビア中国大使は、中国はナミビアにとって第2位の貿易パートナーかつ最大の外国投資元国であると指摘した上で、スタンダードバンクがナミビアで初のCIPSサービスを提供する銀行として、両国間の経済貿易投資協力に対してより利便性の高い金融チャネルを提供することに期待を示した(「新華網」8月10日)。

中国とナミビアの関係は強化されている。2026年7月5日から11日にかけては、同国のネトゥンボ・ナンディ=ンダイトワ大統領が中国を訪問し、習近平国家主席らと会談したほか、「中国とナミビアの新時代の運命共同体建設に関する共同声明」が発表された。

声明では、両国間の経済協力について言及された。両国はウラン、リチウム、レアアースなどの重要鉱物資源(注3)の開発協力強化に合意したほか、中国はナミビアが「グリーン鉱物資源に関する国際経済貿易協力イニシアチブ」(2025年12月8日記事参照)や「デジタル経済やグリーン発展に関する国際経済貿易協力イニシアチブ」に加入することを歓迎するとした。また、中国は、ナミビアが中国の対アフリカ輸入ゼロ関税政策やアフリカ農産品に対するファストトラックなどを活用して対中輸出の種類や規模を拡大することにも歓迎を表明した(注4)。このほか両国は、デジタルトランスフォーメーション(DX)、人工知能(AI)、電子商取引(EC)、スマートインフラ、通信、イノベーションエコシステムなどの分野でも協力の強化を模索し、ナミビアの知識経済への転換を支援するとした。

なお、声明には、中国とナミビアの経済パートナーシップ共同発展枠組み協定についても盛り込まれており、7月16日付の中国商務部の発表によると、中国の王文涛・商務部長とナミビアのセルマ・アシパラ=ムサヴィ・ナミビア共和国国際関係・貿易相が北京市において同協定に署名した。両国は同協定に基づき、経済貿易面での協力をさらに強化し、ナミビアの製造業の発展や農業の構造転換などを推進していくとしている。

(注1)CIPSは金融業界の通信メッセージの国際標準規格ISO20022を採用しており、同システムを利用することで直接かつ即時に人民元のクロスボーダー決済が可能となる。

(注2)スタンダードバンクは2026年6月に中国工商銀行とともに中国人民銀行(中央銀行)からアフリカにおける人民元共同クリアリングバンク(決済銀行)として認定されており、7月31日にはケニアでもCIPSの運用を開始した。

(注3)ナミビアはウラン、ダイヤモンド、金を含む鉱物資源、さらにはリチウム、レアアース、グラファイト、銅、マンガン、亜鉛などの重要鉱物の有望な供給源として注目されている(2026年2月27日記事参照)。

(注4)中国海関総署(中国税関)は2026年5月1日から2028年4月30日までの期間、ナミビアを含む、中国と国交のあるアフリカ20カ国からの輸入品に対しゼロ関税措置を適用している(2026年4月30日記事参照)。また、中国税関は6月から7月にかけて、国交のあるアフリカ諸国原産のカシューナッツ、野生水産品、コーヒー豆について、条件を満たす製品の輸入を相次いで許可するなど、検疫面でも一部アフリカ製品の輸入に関する環境整備が進んでいる。

(小宮昇平)

(中国、ナミビア、南アフリカ共和国、アフリカ)

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