アフリカビジネスセミナーを名古屋で開催、支援策と東海企業事例からヒント探る
(日本、アフリカ)
調査部中東アフリカ課
2026年07月10日
ジェトロと国際協力機構(JICA)、国連開発計画(UNDP)、国連工業開発機関(UNIDO)の4機関は7月3日、「日本企業のためのアフリカビジネス共創セミナー」を名古屋市で開催した。アフリカ市場の概況や各機関の支援メニューを紹介し、アフリカビジネスに取り組む企業も登壇した。今後も国内複数個所で開催するセミナーの第1弾で、約30人が参加した。
冒頭、JICA中部の上町透所長は、日本とアフリカの関係が援助中心からビジネスを通じた共創へと変化していることを強調した。続いて、ジェトロ調査部の波多野瞭平課員がアフリカの経済概況を説明。JICAアフリカ部の田中遼平氏は、ジェトロ、JICA、UNDP、UNIDOが、アフリカビジネスの検討から事業開始・拡大まで、各段階で幅広い支援メニューを提供していることを示した。アフリカビジネス協議会(JBCA)の佐藤隆正事務局長は、各支援機関の海外展開支援策を情報提供する取り組みなどを紹介した。
企業事例紹介では、愛知県に本社を置くSORA Technology(2025年6月4日付地域・分析レポート参照)の財務・インパクト責任者の宮原綾子氏が、ドローンと人工知能(AI)を活用したマラリア対策事業を紹介した。同社は、ドローンで水域を空撮、AIでボウフラの発生リスクが高い水たまりを抽出し、必要な場所に絞って薬剤を散布する。JICA事業を活用したガーナの実証では、コスト27%削減、薬剤使用量50~70%削減などの成果が得られ、2026年にはWHOのガイドラインでも、ドローンとAIを活用したマラリア対策手法が明記されたという。宮原氏は、事業化にあたっては、現地関係者との役割分担を明確にして、競合ではなくパートナー化することや、費用対効果を示すエビデンスの蓄積、早期からの規制対応などが重要だと述べた。
(左)講演するSORA Technology宮原氏、(右)薬剤を散布する様子〔(左)ジェトロ撮影、(右)SORA Technology提供〕
続いて、静岡県に本社を置くヤマハ発動機のアフリカビジネス(2025年9月10日付地域・分析レポート参照)の一環として、経営戦略本部新事業開発統括部MSB部の松本弘部長が、ウガンダで展開するラストマイル配送事業を紹介した。同事業では、住所システムの未整備や都市部の渋滞、配送遅延・紛失といった課題に対し、二輪車配送とスマートフォンを活用した位置情報・配送履歴の管理で対応している。2025年6月時点で、主要都市での配送成功率は94.3%という。松本氏は、アフリカビジネスにおいては、日本側と現地の連携や人材の確保、コンプライアンス対応、所得層に応じた顧客ターゲットの明確化などが重要になると指摘した。
(左)講演するヤマハ発動機松本氏、(右)ウガンダ現地の配達員〔(左)ジェトロ撮影、(右)ヤマハ発動機提供〕
(天神和泉)
(日本、アフリカ)
ビジネス短信 f94cd847b3092256





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