パキスタン中銀、政策金利を11.5%で据え置き、経済安定化の進展を強調

(パキスタン)

カラチ発

2026年07月30日

パキスタン中央銀行(SBP)は7月27日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利を11.5%で据え置くと発表した。SBPは、前回会合(6月)以降にマクロ経済見通しは改善したものの、中東情勢の再緊迫化に伴う原油価格や国際商品市況の変動リスクが依然として高いことから、現行の金融政策スタンスが適切であると判断した。

今回の声明では、経済の安定化が着実に進展している点が強調された。とりわけ、外貨準備高は公的資金流入やSBPによる外貨購入を背景に増加し、2026年6月末時点で商業銀行分を含め約232億ドル、このうちSBP保有分は輸入額約3カ月分に相当する約184億ドルに達した。2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)の経済危機の際の外貨(SBP保有分で約44億5,000万ドル)と比べ、大幅改善した水準を維持している。中銀は2026年末までに、外貨準備高を202億ドルまで積み増す目標を掲げている。

IMF支援の下で進められてきた財政規律の強化やマクロ経済安定化策が国際的にも評価され始めており、市場関係者の間では同国経済が危機対応段階から正常化へ向けて移行しつつあるとの見方がある。近年の経済基盤の改善を背景に、2026年7月に入り、信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングがパキスタンの長期ソブリン格付けを「B-」から「B」へ引き上げた(2026年7月27日記事参照)。

景気面では、MPC発表によると中東紛争や財政緊縮策の影響を受けて2025/2026年度第4四半期に減速がみられたものの、自動車販売、セメント出荷、肥料販売などの高頻度指標は、6月以降持ち直しを示している。農業部門でもサトウキビ生産の増加が見込まれ、サービス業への波及効果も期待されることから、中銀は2026/2027年度の実質GDP成長率を3.5~4.5%と予測している。

一方、インフレ率は6月に前年同月比11.1%となり前月より低下したが、依然として目標レンジ(5~7%)を上回っている(2026年7月8日記事参照)。SBPは、世界的な商品価格の上昇、国内の食料価格の上昇圧力、中東情勢に起因するエネルギー価格変動などを踏まえ、当面は慎重姿勢を維持する方針を示した。今後も財政健全化、外貨準備の積み増し、税制改革などの構造改革が、持続的な成長に求められている。

(糸長真知)

(パキスタン)

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