ユーロ債再編で債権者と原則合意、新金融商品導入で最終調整へ
(エチオピア)
アディスアベバ発
2026年07月03日
エチオピア財務省は6月29日、2024年に償還期限を迎えた10億ドルのユーロ債の債務再編について、債券保有者で構成される臨時委員会との間で原則合意に達したと発表した。2023年末のデフォルト(債務不履行)後に続いていた民間債権者との再編交渉において、重要な進展となる。
財務省によると、6月5日から28日にかけて臨時委員会(注)との協議を実施し、新たに発行する債券に加え、新金融商品の導入について協議した。双方は「ニュー・マネー・ワラント(New Money Warrant)」と呼ばれる金融商品の導入で合意した。同商品はIMFおよび公式債権者委員会(OCC)共同議長国に共有されており、IMFはエチオピアの債務持続可能性目標との整合性を確認した。また、OCC共同議長国からも異議なし(non-objection)が示されている。ただし、正式発効にはOCC全体による承認が必要となる。
エチオピアは2021年2月に、G20共通枠組みに基づく債務再編を申請した。その後、2023年12月には2024年償還予定の10億ドル・ユーロ債に関する利払い約3,300万ドルを履行できず、デフォルトに陥っていた(2023年12月27日記事参照)。今回の合意は、こうした状況を受けて進められてきた民間債権者との協議の成果となる。
今回の合意に先立ち、2026年1月にも民間債権者との間で原則合意が成立していた。しかし、G20共通枠組みで求められる「比較可能な負担分担(Comparability of Treatment)」原則との整合性を巡り、OCCの支持を得られず、見直しが求められていた。
現地経済紙「キャピタル」によると、新金融商品は既存債権者に対し、将来、エチオピア政府が発行する国際ユーロ債券を購入する権利を付与する仕組みとされ、これにより、再編条件を巡る政府と投資家の評価額の隔たりを埋める効果が期待される。また、同紙は、2026年5月末に交渉が行き詰まった後、一部債権者が英国での法的措置を検討していたことから、今回の仕組みが交渉打開策として導入された、と報じている。
再編案では、既存の10億ドル債を約8億8,000万ドル相当の新債券へ交換する見通しで、投資家は約12%の元本削減を受け入れる方向となっている。また、2023年から2024年にかけて発生した未払い利息についても、一部支払いを行う方向で調整が進められている。
エチオピア政府は現在、IMF支援プログラムの下で為替制度改革やマクロ経済改革を進めている。2026年6月にIMFは、同国向け融資プログラムの第5次レビューについて事務レベル合意に達したことを発表しており(2026年6月19日記事参照)、債務再編については進展が見られ、公的債権者や民間債権者との協議が順調に進んでいる点を評価している。
(注)臨時委員会は、当該ユーロ債を保有する主要な機関投資家で構成される債権者グループで、発行済み債券残高の約45%を保有している。
(松野はるな)
(エチオピア)
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