カナダとフィリピン、戦略的パートナーシップへ格上げ、FTA交渉加速で一致
(カナダ、フィリピン、ASEAN、オーストラリア、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国)
調査部米州課
2026年07月08日
カナダのマーク・カーニー首相は7月2日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領と首脳会談を行った。両首脳は、両国関係を「戦略的パートナーシップ」へ格上げすることで合意したほか、フィリピンおよびASEANとの自由貿易協定(FTA)の2026年内妥結に向けて取り組む方針で一致した。
フィリピン大統領のカナダ訪問は11年ぶり。新たなパートナーシップの具体化に向けて、両首脳はそれぞれの外相に対し、エネルギー、重要鉱物、防衛、サイバー、海洋安全保障、食料安全保障の各分野で協力を推進するよう指示した。
カナダ首相府の発表
によれば、カーニー氏は、2026年のASEAN議長国を務めるフィリピンへの期待を示すとともに、両首脳がカナダASEAN自由貿易協定(ACAFTA)の交渉加速に向けて協力することを確認した(注1)。ACAFTAはASEANにとって北米との初のFTAとなる見込みだ。ACAFTAの締結により、農業や製造業を中心にカナダのGDPが20億カナダ・ドル(約2,260億円、Cドル、1Cドル=113円)超押し上げられ、約1万4,000人の雇用創出につながるとしている。
また両首脳は、カナダ・フィリピンFTAについても2026年内妥結を目指して取り組むことを確認した。両国間でFTAが締結されれば、2035年までに貿易量が3倍に拡大し、農業や林業を中心に輸出機会が増加すると見込まれている。
フィリピン大統領府の発表
によれば、マルコス氏は、カナダのルソン経済回廊(注2)への参加を歓迎した。カナダは参加に当たり、インフラ、サプライチェーン、クリーンエネルギー分野への支援を通じて200万Cドルを投資することで合意している。
(注1)カナダとASEANは2021年11月からFTA締結に向けた交渉を進めている(2021年11月17日記事参照)。当初は2025年中のACAFTA妥結を目指していたが、交渉の遅れから期限を1年延長していた(2025年9月17日記事、2026年3月2日記事参照)。
(注2)2024年4月に米国、フィリピン、日本の3カ国がグローバルインフラ投資パートナーシップ(PGII)の下で立ち上げた枠組み(2024年4月15日記事参照)。マニラを含むルソン地域の鉄道や港湾など、戦略的重要インフラへの投資加速に向けた3カ国連携を目的とする。2026年5月には、カナダ、オーストラリア、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国の参加が発表
されていた。
(木村勇翔)
(カナダ、フィリピン、ASEAN、オーストラリア、デンマーク、フランス、イタリア、韓国、スウェーデン、英国)
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