欧州産業界、次期中期予算計画における研究開発予算の拡充をEUに要請
(EU)
ブリュッセル発
2026年07月17日
ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)など欧州の86産業団体は7月7日、大規模な研究開発関連予算の確保をEUに要請する共同声明
を発表した。具体的には、2028~2034年までの次期中期予算計画案(MFF、2025年7月22日記事参照)における「第10次研究イノベーション枠組みプログラム(FP10)」(2026年7月2日付地域・分析レポート参照)予算の大幅な増額や、生産性向上に向けた官民連携の強化などを求めた。
EUでは生産性の伸び悩みに加え、イノベーション分野での米国や中国との格差拡大が指摘されている。こうした状況を打開するため、欧州委員会は「競争力コンパス」(2025年2月6日記事参照)において、研究開発・イノベーションを競争力強化戦略の中核に位置付けた。MFF案では、研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」に現行予算のほぼ2倍の1,753億ユーロを計上し、産業支援プログラム「欧州競争力基金(ECF)」(4,508億ユーロ)と合わせ、企業の事業構想から研究成果の実用化・スケールアップまでを一貫して支援する方針を示した。
一方、ドラギ報告書(2024年9月19日記事参照)は競合国との競争力格差を縮小し、生産性を持続的に向上させるためには、年間8,000億ユーロの追加投資が必要と指摘している。86団体は、EUの研究開発関連支出の対GDP比率が競合国を下回る中、欧州委員会の提案は不十分と警鐘を鳴らした。また、EUのグリーン化やデジタル化、開かれた戦略的自律の実現に向け、FP10が民間投資の促進や国境を越えた研究・イノベーションエコシステムの構築などで中核的な役割を果たすと強調。FP10とECF双方が確実に機能し、相乗効果を生み出すことはイノベーション創出や産業基盤の強化に不可欠と述べ、MMFの議論が終盤を迎える中、最大限の財源確保を要請した。
(滝澤祥子)
(EU)
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