米財務省、安保上のリスクや緩和措置などを例示する新たなCFIUSのウェブサイトを発表
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月30日
米国財務省は7月29日、対米外国投資委員会(CFIUS)に関する新たな専用ウェブサイトを立ち上げたと発表
した。企業などによるCFIUSの審査に対する理解促進を通じて、審査プロセスを円滑にすることを目的としている。
CFIUSは、外国から米国への投資が安全保障に脅威をもたらすかどうかを審査する省庁横断の委員会で、財務長官が議長を務める。投資内容によっては、CFIUSへの事前申告が義務付けられている。また、事前の申告がなかった取引に関しても、CFIUSが脅威の可能性を関知すれば、事後的に審査できる(注1)。大統領はCFIUSの勧告に基づいて取引を制限でき、直近ではドナルド・トランプ大統領が2026年1月に、米国企業のハイフォ(HieFo)が「中国に支配されている」との理由から、同社による米国企業エムコア(Emcore)資産の買収を禁止した(2026年1月6日記事参照)。
新たなCFIUSのウェブサイト
では、事前相談ポータル
を導入した。企業はCFIUSに関する質問をしたり、取引に関する情報を提出したりすることで、取引プロセスの早い段階でCFIUSと連携を図ることができる。財務省によれば、このツールは、より効率的な審査の実現を目的としている。
また、CFIUSが投資案件の審査において特定する国家安全保障上のリスクの類型と、それに対応してCFIUSが求める緩和措置を例示したリスト
も掲載した。CFIUSによる審査を受けた後でも、当事者がCFIUSとリスク緩和措置で合意できれば、取引を継続できる場合がある。そのほか、CFIUSへの申告に関するガイダンス
も掲載した。ガイダンスでは、申告時の留意事項、ベストプラクティス、CFIUSから頻繁に求められる情報の例などを記載している。
ウェブサイトではまた、財務省投資安全保障局(OIS)が行う「既知の投資家プログラム」「投資安全保障技術イニシアチブ」「戦略的ベンダープログラム」の進捗状況を示すページも設けた(注2)。このうち「既知の投資家プログラム」は、先端技術などの分野において、同盟国などからの対米投資の促進を目的に審査プロセスの迅速化を行うもので、その実施時期などが注目されている(2026年2月9日記事参照)。
CFIUSの議長も務めるスコット・ベッセント財務長官は声明で、「新たなウェブサイトの開設により、企業、投資家、およびその顧問弁護士は必要な情報を入手し易くなり、CFIUSの審査プロセスへの理解を深められるようになる」と述べた。その上で、「トランプ政権はCFIUSのサービスを大幅に強化し、トランプ大統領の『米国第一の投資政策』(2025年2月25日記事参照)の方針に沿って対米投資を促進していく」とその意義を強調した。
(注1)CFIUSの直近の活動報告書は、2025年8月12日記事参照。
(注2)投資安全保障技術イニシアチブは、米国の国家安全保障と国際競争力を確保するために不可欠な重要な投資や新興技術の保護体制を強化するための取り組み。戦略的ベンダープログラムは、CFIUSの審査を経た企業と、米国を拠点とするサプライヤー、ベンダーとのネットワークの強化する取り組み。
(赤平大寿)
(米国)
ビジネス短信 8d49fcb90c075991





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