米連邦通信委、外国製ルーターの米国輸入・販売に対する許可拡大、認証規制強化の動きも

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月30日

米国連邦通信委員会(FCC)は7月27日、スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」の利用者向けに提供される外国製通信ルーターについて、米国内への輸入・販売などに関する規制の適用対象外にすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2028年2月1日までの期間限定での措置となる。

無線通信機器を米国向けに輸出・販売する場合、原則としてFCCの認証取得が必要だ(注1)。一方でFCCは、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得る「対象機器・サービス」リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを定めており、同リストに掲載されている品目については、認証の付与を禁止している。FCCは2026年3月、同リストに、外国で製造された消費者向けルーターを追加した(2026年3月30日記事参照)。その上で、戦争省(国防総省)または国土安全保障省が国家安全保障上のリスクがないという「条件付き承認(Conditional Approval)」を付与したルーターに限り、認証の申請・取得を認める制度を定めた(注2)。今回の発表は、戦争省がスターリンク用のルーターに対して「条件付き承認」を付与したことを受けたものだ。

消費者向けルーターの「対象機器・サービス」リストへの追加をめぐっては、その多くが米国外で生産されていることから、業界を問わず、ビジネスに大きな影響を及ぼす可能性が懸念されていた。ルーターに対する「条件付き承認」付与は今回の発表で17件目となり(注3)、現行の制度を前提としつつ、国内需要を踏まえた例外措置の拡大が進む。

通信機器の認証規制強化も進む

FCCは7月22日、「対象機器・サービス」リストに掲載された機器の製造企業(以下「リスト掲載企業」、注4)が製造した特定の部品を組み込む機器について、新たなFCC認証の取得を禁止する規則を採択外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。23日付で発表された採択内容に関する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、リスト掲載企業が製造した「ロジック機能を備えたハードウエア部品(logic-bearing hardware components)」を組み込む製品が、新たな規制の対象となる(2026年7月30日記事参照)。

また、リスト掲載企業による製品の改造や、認証を受けていない製品の電子商取引(EC)プラットフォーム上での販売などについても規制を強化する。なお、前述の内容を含む改正規則の施行日は規則の官報掲載から原則30日後とされているものの(注5)、米国時間7月29日時点で官報未掲載だ。また、報告書には、認証申請段階でのサプライチェーン開示義務の強化や「対象機器・サービス」リストの分割(注6)といったさらなる規則の改正に向けた提案や、それらへのコメントの募集も含まれている(注7)。

(注1)無線通信機器の米国向け輸出に関する規則については、ジェトロのウェブサイトを参照。

(注2)なお、「対象機器・サービス」リストに掲載されている品目の多くは、中国やロシアの特定企業の通信機器やサービスとなっている。掲載品目の中で、製造企業を特定せず製品カテゴリー自体を掲載し、特定製品に「条件付き承認」を与える形式となっているのは、消費者ルーターおよび2025年12月にリストに追加された無人航空機システム(UAS)とその重要部品のみ。

(注3)「条件付き承認」が付与された消費者ルーターおよびUASのリストは、FCCのホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

(注4)「対象機器・サービス」リストで特定されている企業を指す。すなわち、消費者向けルーターやUAS、その重要部品を製造する企業全般を対象としたものではない。

(注5)一部の規則改正は官報掲載から6カ月後、または9カ月後となっている。

(注6)製造・サービス提供者(企業)ベースのリストと生産地ベースのリストへの分割が提案されている。

(注7)コメントの募集期限は官報掲載から30日後までとされている。

(滝本慎一郎)

(米国)

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