米連邦通信委、外国製ルーターの輸入・販売を実質禁止、未認証モデルが対象

(米国)

ニューヨーク発

2026年03月30日

米国連邦通信委員会(FCC)は3月23日、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得る「対象機器・サービス」のリスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに、外国で製造された消費者向けルーターを追加したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。既にFCC承認を受けている既存のルーターには影響はなく、これまでにFCCの認証を受けていない新型の外国製モデルが措置の対象となる(注2)。また、製造国・地域に関係なく、実質的に米国内での販売が禁止される(注3)。

「対象機器・サービス」のリストは、「2019年安全で信頼できる通信ネットワーク法」に基づきFCCがまとめている。リストに掲載された機器は、米国への輸入、販売、販売促進のために必要なFCCの認証の取得が禁止される。直近では2025年12月に、外国製のドローンなど無人航空機システム(UAS)とその重要部品がリストに追加外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされている(注4)。

今回のリスト追加は、外国製ルーターが米国経済や国防を脅かす可能性のあるサプライチェーン上の脆弱(ぜいじゃく)性を生じさせ、また、米国の重要インフラにサイバーセキュリティー上のリスクをもたらすとの省庁横断組織の判断PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に基づく。ただし、戦争省(国防総省)または国土安全保障省が、国家安全保障上のリスクがないとして「条件付き承認(Conditional Approval)」を与えた外国製ルーターについては、例外措置の対象となり、FCCの認証を受けられる(注5)。

米国のメイヤー・ブラウン法律事務所は3月25日、今回の措置に関する解説記事を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、措置が「ビジネスに対して多大な影響を及ぼす可能性が高い」と評価した。その理由として、米国の家庭や企業で使用されているルーターの大部分は米国外で製造されており、幅広い業界への影響が予想されることを挙げた。また、「条件付き承認」を申請する際に、包括的なサプライチェーン情報の開示のみならず、米国内での製造拠点の設立または拡大への取り組みも求められることから「(外国製ルーターの)米国市場への継続的なアクセスは、米国への国内回帰(オンショアリング)計画の有無に左右されることになる」と指摘した。

(注1)FCCの正式な通知文書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ルーターの定義は、商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)発行の内部報告書(IR 8425A)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照しており、主に家庭での使用を目的とし、顧客自身で設置可能な民生用ネットワーク機器を含む。

(注2)リスト更新以前にFCCから認証を取得済みの製品は、継続して輸入・販売・使用が認められているが、FCCが同時に発表した公示によると、リスト更新以前にFCCから機器認証を取得した製品に対する、米国の消費者への損害を軽減するためのソフトウエアおよびファームウェアの更新は、2027年3月1日までしか認められていない。

(注3)FCCが同時に発表した「よくある質問(FAQs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、米国外で開発や設計、組み立てが行われたルーターも認証禁止の対象になるとみられる。

(注4)FCCは2026年1月、戦争省が指定する特定のUASなどを2027年1月までリストの対象から除外外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また3月には、戦争省が4つのUASなどに対して条件付き承認を与えたことを受け、リストを更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。なお、特定の製品カテゴリーを一括して追加したのはUASが初めてであり(2022年9月21日記事参照)、それまで同リストには、中国またはロシアの特定企業の通信機器やサービスのみを掲載していた。

(注5)条件付き承認を求める製造者は、FCCのガイダンスPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に従い、conditional-approvals@fcc.gov宛てに申請書を提出する必要がある。申請が受理された場合、最大18カ月間の条件付き承認が与えられる。

(滝本慎一郎)

(米国)

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