インフィニオン、ドイツ東部ドレスデンで新半導体工場を開所、ドイツ政府も歓迎
(ドイツ)
ベルリン発
2026年07月16日
ドイツ半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズは7月2日、ドレスデンで新半導体工場「スマート・パワー・ファブ」を開所した。投資額は50億ユーロで、同社史上最大の単独投資案件となる。新工場は欧州半導体法に基づく支援対象案件で、欧州委員会は2025年2月に支援を承認していた(2025年3月10日記事参照)。新工場の稼働によりドレスデン拠点の生産能力は倍増し、インテリジェント・パワー半導体(注1)およびアナログ/ミックスドシグナル技術(注2)分野における世界最大の製造拠点になるとしている。新工場では1,000人を直接雇用する。
同社によると、新工場は当初計画の2026年秋の稼働開始予定(2022年11月18日記事参照)より数カ月前倒しで完成した。新工場では、人工知能(AI)データセンター向け電源供給、自動車分野、再生可能エネルギー設備などに使用される半導体を生産する。同社は、パワー半導体とアナログ/ミックスドシグナル技術を組み合わせることで、高いエネルギー効率と高度なシステムソリューションを実現できるとしている。
同社によると、新工場では需要に応じて従来の2倍の速度で生産能力を拡大することができ、こうした生産体制により、市場機会を効果的かつ柔軟に活用できるとしている。さらに同社は、今回の投資によりドレスデンを中心とする半導体集積地「シリコン・ザクソニー」(2024年12月13日付地域・分析レポート参照)全体の欧州における主導的役割をさらに強化するとしている。同クラスターでは現在、8万人超が従事している。
開所式ではフリードリヒ・メルツ首相がメッセージを寄せ、新工場について、ザクセン州だけでなくドイツおよびEU全体の産業の将来にとって重要な案件と述べた。また、同工場がドイツや欧州のデジタル主権、経済的レジリエンスおよび自律性にとって戦略的重要性を有するとした。さらに、同工場で生産されるパワー半導体は、データセンター、電動モビリティー、再生可能エネルギー分野といった今後の経済・産業活動を支える重要な構成要素になるとの認識を示した。
(注1)電力の変換・制御を行うパワー半導体に、保護機能や監視・制御機能などを集積した半導体。
(注2)連続的に変化するアナログ信号と、0と1などの離散的な値をとるデジタル信号の、双方を処理する半導体技術。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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