カナダ中銀、政策金利を2.25%に据え置き、6会合連続
(カナダ、米国)
トロント発
2026年07月16日
カナダ中央銀行は7月15日、政策金利を2.25%に据え置くと発表
した(政策金利レート推移参照
)。金利の据え置きは6会合連続となる(2026年6月15日記事参照)。また、経済見通しを示す金融政策報告書
も併せて発表した。
中銀は据え置きの理由について、カナダ経済の成長が再開しつつある一方、不確実性は依然として高いとの認識を示した。中東での紛争が再び激化しているほか、米国の通商政策を巡る不確実性も続いており、経済や物価の先行きには大きな不透明感が残ると説明した。
カナダ経済については、過去1年間の実質GDPは、米国による関税措置や高い不確実性、人口増加ペースの鈍化を背景に成長が停滞し、労働市場も軟調に推移したと指摘。一方、第2四半期の成長率は年率換算で2.5%と推計され、個人消費や輸出が景気を下支えし、成長を牽引する可能性も広がりつつあるとの見方を示した。また、石油・ガス部門が短期的な押し上げ要因となり企業投資は徐々に回復すると見込まれるほか、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、注)の年次見直しに伴う不確実性の中でも、多くの企業は対応策を見いだしているとした。さらに、政府支出の増加も経済活動を下支えするとしている。
物価動向については、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が3.2%へ加速した主因として、中東情勢を背景としたガソリン価格の上昇を挙げた(2026年6月29日記事参照)。一方、ガソリンを除くインフレ率は2.2%、コアインフレ率は2%近辺にとどまっているとした上で、短期的なインフレ予測はガソリン価格の変動に左右されるものの、長期的なインフレ予測は安定していると分析した。中銀はインフレ率について、6月も高止まりした後、数カ月かけて徐々に鈍化し、2027年初めまでに2%前後になると予測している。
発表を受けて、CIBCキャピタルマーケッツのエグゼクティブ・ディレクター兼シニアエコノミストのキャサリン・ジャッジ氏は、「経済やインフレへのリスクがどう展開するか見守る状況は続く。景気回復が続き、基調インフレも落ち着いていることから、原油価格が今後落ち着き、カナダに対する米国の通商政策が強化されない限り、中銀は年内の政策金利据え置きを続ける」との見方を示した(「CIBCエコノミックフラッシュ」7月15日)。
中銀の次回の政策金利と、経済見通しを示す金融政策報告書の発表は、9月2日に予定されている。
(注)米国ではUSMCA、メキシコではT-mecと呼ばれる。
(井口まゆ子)
(カナダ、米国)
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