5月のカナダ消費者物価指数、前年同月比3.2%上昇

(カナダ)

トロント発

2026年06月29日

カナダ統計局が6月22日に発表した2026年5月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比3.2%の上昇となり、4月(2.8%、2026年5月22日記事参照)を0.4ポイント上回った(添付資料表参照)。

統計局が上昇の主な要因として挙げたガソリン価格は、前年同月比33.2%増となり、4月(28.6%増)から伸び率がさらに拡大した。中東情勢に伴う世界的な供給不安が、3カ月連続でガソリン価格を押し上げたとしている。他方、ガソリンを除いたCPIも、5月は2.2%増となり、4月(2.0%増)から伸び率が加速した。旅行ツアー価格が上昇に転じ(0.7%増)、ジェット燃料を含む運航コストの上昇が価格に転嫁されたことで、航空運賃も7.4%増となった。また、食品価格(4.3%増)も16カ月連続で総合CPIの伸び率を上回った。内訳では、生鮮果物価格(5.3%増)、生鮮野菜価格(9.0%増)が上昇した。特にトマト価格は、メキシコにおける悪天候や作付面積の減少に伴う供給縮小を背景に、45.2%増と大幅な上昇を記録した。

一方、上昇を抑制した要因として住宅関連価格が挙げられる。住宅費は前年同月比1.7%増と、4月(1.8%増)からやや減速した。住宅建設コストを反映する住宅建て替え費指数が2.5%減となったほか、不動産売買手数料などを含む持ち家関連費用(2.1%減)も低下した。家賃(3.5%増)は4月(3.6%増)からわずかに縮小し、2022年1月以来の低い伸びとなった。耐久消費財価格は1.9%増で、4月から横ばいだった。品目別では、コンピュータ機器・ソフトウエア関連用品の価格(3.9%増)は上昇した一方、家庭用電化製品(5.7%減)は下落した。また、工具・家庭設備用品や乗用車購入価格についても、上昇ペースの鈍化がみられた。

発表を受けて、トロント・ドミニオン銀行のマネージングディレクター兼シニアエコノミスト、レスリー・プレストン氏は「エネルギー価格や一部の新興技術に伴うコスト上昇を除けば、カナダのインフレは総じて落ち着いた状態が続いており、需要の弱さが企業による価格転嫁を抑えている」と述べ、カナダ中央銀行は当面、政策金利を現行水準で維持する公算が大きいと予測した(「TDエコノミクス」6月22日)。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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