USMCA見直し協議、協定延長めぐり米連邦議会議員の意見割れる

(米国、メキシコ、カナダ)

ニューヨーク発

2026年07月03日

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直しが7月1日に行われた。米国が延長に合意しなかったため、3カ国は協議を継続することとなった(2026年7月2日記事参照、注1)。

米国の連邦議会議員からは、USMCAの延長に合意しなかった米国通商代表部(USTR)の姿勢を支持する声が上がる一方で、延長すべきだとする声もあり、同じ党派内でもそれぞれの立場によって意見は割れている。下院で通商を所管する歳入委員会の委員長であるジェイソン・スミス議員(共和党、ミズーリ州)や同委員会の貿易小委員会の委員長であるエイドリアン・スミス議員(共和党、ネブラスカ州)は7月1日に声明(J.スミス議員外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますA.スミス議員外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、ともに政権の決定を支持する姿勢と現行制度におけるUSMCAの課題(注2)を指摘した。民主党からも、ローザ・デラウロ議員(民主党、コネチカット州)が、労働組合(注3)とともに6月30日に発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、現状のままUSMCAを延長すべきでないと主張し、メキシコへの米国の雇用オフショアリングやメキシコ・カナダとの貿易赤字の急増などに対処しなければならないと指摘した(米通商専門誌「インサイドUSトレード」7月1日)。

一方で、下院歳入委員会のドン・ベイヤー議員(民主党、バージニア州)は7月1日に発表した声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、延長に合意しなかった政権の決定を「重大な過ち」との評価をした(注4)。

(注1)米国のUSMCA見直しに関する方針は、USTRのジェミソン・グリア代表が2025年12月に実施した議会報告の中で示されている(2026年2月20日付地域・分析レポート参照)。

(注2)J.スミス議員は、エネルギー分野などにおけるメキシコの米国投資家に対する差別的な政策や、カナダによる米国の酪農家に対する差別的な政策などを挙げた。A.スミス議員は、メキシコによる遺伝子組み換えトウモロコシの輸入禁止措置や、カナダのデジタル貿易障壁などを挙げた。

(注3)声明には、全米自動車労働組合(UAW)、全米鉄鋼労働組合(USW)、国際機械工労組(IAM)、全米大工組合(UBC)の代表者が署名した。

(注4)ただし、協定の継続を確保するとともに、発効後6年間で浮上した新たな課題に対処するよう求めている点は上述の議員と同様の姿勢がみられる。

(滝本慎一郎)

(米国、メキシコ、カナダ)

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