米・イラン高官級協議が終了、最終合意へ60日の行程表を策定
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、スイス、パキスタン、カタール)
テルアビブ発
2026年06月23日
米国とイランの高官級協議は6月21日から22日までスイス・ビュルゲンシュトックで行われた(2026年6月22日記事参照)。
仲介国のカタールおよびパキスタンは6月22日、協議の成果に関する共同声明を発表した。
カタール外務省
によると、協議は「前向きかつ建設的な雰囲気」の下で行われ、今後の技術協議に向けた枠組み構築など、一定の進展が確認されたという。また、米国とイランが6月17日に署名した覚書(2026年6月19日記事参照)に基づき、政治レベルで交渉全体を監督するハイレベル委員会の設置に合意し、各国の首席交渉官が同委員会に定期的に報告する体制を整備した。あわせて、核問題、制裁、履行監視および紛争解決を扱う作業部会を設置し、合意履行の実効性確保を図るとしている。
また、同委員会では、60日以内に最終合意に達するための行程について取り決め、これを受けて即時に技術協議を開始する方針を確認した。さらに、ホルムズ海峡における商業船舶の安全航行確保を目的とした当事者間の連絡手段を新設し、偶発的事案や誤解の防止を図るとしている。
加えて、覚書に基づくレバノンにおける軍事行動停止の履行確保に向け、当事国およびレバノン政府が参加する衝突回避調整ユニット(デコンフリクション・セル)の設置にも合意した。全ての主要論点に関する技術協議は、ビュルゲンシュトックにおいて週内継続される予定である。
米国のJ.D.バンス副大統領は22日の協議後の記者会見
で、「非常に大きな進展があった」と評価した。ホルムズ海峡の航行確保、機雷除去や地域停戦に向けた調整枠組みの構築、国際原子力機関(IAEA)査察の受け入れに関する合意など、複数の成果を挙げたとした。また、最終合意に向けた技術交渉プロセスを立ち上げたと説明した。
これに関連し、米財務省外国資産管理局(OFAC)は6月22日、イラン産原油および石油化学関連製品の生産・販売・輸送などに関わる取引を一時的に認める一般ライセンス(General License X)を発行
した。同措置は2026年8月21日まで有効で、対象取引には輸送、保険、港湾サービス、輸入などが含まれるという。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘、イバン・ステシェンコ)
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、スイス、パキスタン、カタール)




