ジェトロ、モロッコで再生可能エネルギーミッションを実施

(モロッコ)

ラバト発

2026年06月11日

ジェトロは5月13~15日、「モロッコ再生可能エネルギーミッション2026」を実施した。国内外から日系企業(エネルギー開発、ガス、計測機器、貿易、金融、運輸)や団体など16社19人が参加した。3日間で11の省庁・機関・企業・大学を訪問し、同国の再エネ市場への理解を深めた。

初日の13日は首都ラバトで、エネルギー移行・持続可能開発省(MTEDD)や投資・公共政策統合・評価省(MICEPP)など計6省庁を訪問し、モロッコの再エネ政策や投資環境などについて説明を受けた。14日午前には、リン資源・肥料大手の国営リン鉱石公社(OCP)グループ、再エネ分野の業界団体であるENRクラスターを訪問。午後にはOCPグループの100%子会社で、再エネによる発電・蓄電を担うOCPグリーンエナジー(2025年12月15日記事参照)のウラド・ファレス太陽光発電所(クリブガ地方)(注1)を訪問し、太陽光パネルの立ち並ぶ広大な施設を視察した。最終日15日は、午前中にモロッコ経団連(CGEM、注2)を訪問。午後にはモハメッド6世工科大学(UM6P)(注3)を訪れブリーフィングを受けたほか、同学内のグリーン・エナジー・パーク(GEP)(注4)を訪問し、再エネ分野における国際的な産学官連携の様子を視察した。

参加者からは積極的な質問が続き、「今後の活動に生かせるつながりが持てた」「面会困難な企業幹部らとのネットワーキングは大変貴重だった」「実際に再エネ施設を訪問する機会はなかったため、大変興味深かった」「モロッコにおけるプロジェクト組成のイメージができた」などの声が寄せられた。

モロッコ政府は電力生産容量に対する再エネ比率を2030年までに52%以上にすることを目指しており、前倒しでの達成が見込まれている(2025年12月3日記事参照)。国内では風力、太陽光、水力の分野において多くの関連発電施設が稼働しており、2050年までに80%以上に引き上げる目標達成に向け増強計画が進行中だ。2024年にはグリーン水素分野の投資促進策「モロッコ・オファー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表し、政府としてグリーン水素や同関連品の国内外向け生産に関心を持つ投資家を歓迎している。多くの訪問先が数値目標に言及し、日本企業のさらなる進出、投資に対する期待が寄せられた。

2026年は日・モロッコ外交関係樹立70周年の年であり、ミッション直前(5月8日)には、日・モロッコ外相テレビ会談と外相共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの署名が行われ、本ミッション中にも同声明に触れる場面があった。

写真 OCPグループ訪問(ジェトロ撮影)

OCPグループ訪問(ジェトロ撮影)

写真 OCPグリーンエナジー視察(ジェトロ撮影)

OCPグリーンエナジー視察(ジェトロ撮影)

(注1)2025年12月に稼働を開始した、現在モロッコで稼働している最大の太陽光発電所。総容量105メガワットピーク(MWp)で稼働する。

(注2)モロッコの民間部門を代表する最大の経済団体。

(注3)OCP財団が設立した産業と直結したモロッコ発の最先端研究大学で、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの発表する大学ランキングにおいて世界トップ400(モロッコ・北アフリカ1位)に入る。

(注4)アフリカ有数のキャンパス一体型最先端再エネ実証・研究拠点。2017年、OCPグループ、IRESEN(太陽エネルギー・新エネルギー研究所)、UM6Pなどが連携して開始した産学官の枠組み。現在はアジアを含めた企業・組織も参画し、グリーン水素の産業向け応用研究開発、国内産業などへの展開、活用に取り組んでいる。

(鈴木優香)

(モロッコ)

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