OCP Green Energy、太陽光発電施設の運転を開始
(モロッコ、ドイツ)
ラバト発
2025年12月15日
リン肥料(リン酸・アンモニウム肥料)生産の世界大手のモロッコ国営リン鉱石公社(OCP)グループの100%子会社で、再生可能エネルギーによる発電・蓄電を担うOCP Green Energy(OGE)は12月1日、総容量202メガワットピーク(MWp)の太陽光発電設備を含む投資プログラム第1フェーズの稼働を発表した(12月1日付OCP Green Energy プレスリリース
)。
ベンゲリール(67MWp)、フーム・ティジ(30MWp)、クリブガのウラド・ファレス(105MWp)における3つの太陽光発電所が、総容量202MWpで稼働する。中でもウラド・ファレスの発電所は、現在モロッコで稼働している最大の太陽光発電所となっている。併せて、ベンゲリールでは初の電力蓄電プロジェクトを開始し、再生可能エネルギーによる連続供給とネットワークの柔軟性を確保する。
このプロジェクトには約18億ディルハム(約306億円、1ディルハム=約17円)が投資された。外国投資も行われ、2023年4月に世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が1億ユーロの融資を決定。その後、ドイツ復興金融公庫(KfW)や革新的なエネルギー貯蔵システムの開発に特化したアフリカ開発銀行(AfDB)主導のプログラムであるクリーン・テクノロジー・ファンド(CTF)からも資金調達が行われた。
これらの太陽光発電所は、OCPグループの鉱山拠点の電力需要を広くカバーし、供給の安全性と競争力を強化する。また、同グループのOCP Green Waterの淡水化施設や、主要工場などに電力を供給する予定だ。
OCPグループは、2027年までに産業用電力を100%再生可能エネルギーで賄い、2040年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げている。
(ファティマザハラ・ベルビシュ、鈴木優香)
(モロッコ、ドイツ)
ビジネス短信 431e1f95561a278d




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