5月の米小売売上高は前月比0.9%増と予想を上回るも、漂う先行き不透明感
(米国)
ニューヨーク発
2026年06月18日
米国商務省の速報
(6月17日付)によると、5月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.9%増の7,637億ドル(添付資料表参照)となった。ブルームバーグの市場予想(0.6%増)を上回り、4カ月連続の増加を維持している。なお、4月は同0.5%増(速報値、2026年5月15日記事参照)から0.4%増に下方修正された。
ガソリン価格の上昇が引き続き押し上げ要因に
業種別では、全13業種のうち11業種がプラスとなる広範な伸びをみせた。最大の押し上げ要因となったのはガソリンスタンドで、前月比3.4%増の637億ドル(寄与度0.28ポイント)を記録した。米労働省が6月10日に発表した消費者物価指数(CPI)
によると、5月は全品目で前月比0.5%、前年同月比(季節調整前)4.2%と上昇し、とりわけガソリン価格は前月比7.0%、前年同月比(同)40.5%と大きく上がった。自動車・同部品の小売売上高が前月比1.2%増となったほか、無店舗小売りや衣類も増加した。他方で、統計内で唯一のサービス項目であるフードサービスは同0.1%減と小幅に減少した。
ブルームバーグ(6月17日)のエコノミスト、エリザ・ウィンガー氏は、「お得な商品やプロモーションを求める消費者の動きからオンライン支出が堅調さを示し、5月の名目小売売上高は予想を上回った。今回の報告は、支出意欲の持続を示唆する内容だが、税還付の増加といった一時的要因の寄与には留意するべきだ」と指摘した。実際、確定申告期の終了に伴い、これまで消費を支えていた還付金効果は剝落しつつあり、先行きの不透明感は高まっている。また、堅調だった自動車・同部品についても、足元の来店客数は底堅いものの、春の需要期が過ぎたこと、高金利などによる購入負担が成約のハードルとなっており、今後は在庫改善に伴う夏の値引き競争の激化が注目される(Einpresswire6月1日)。
なお、インフレ率は過去2カ月連続で賃金の伸びを上回っているほか、4月の貯蓄率は4年ぶりの低水準に落ち込み(2026年5月29日記事参照)、家計の購買力が細り始めている実態を浮き彫りにしている。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 b31a476e02c28166





閉じる