米スケッチャーズ、アルジェリアで生産拠点設立へ
(アルジェリア、米国、中国、ベトナム)
パリ発
2026年06月30日
米スニーカー大手のスケッチャーズが6月21日、アルジェリアの靴メーカーであるトラディフットと、アフリカ初となる生産拠点の設立に向けたパートナーシップ協定を締結したと「アルジェリア・プレス・サービス」(6月21日付)などの現地複数メディアが伝えた。トラディフットは国内33店舗を通じ、米国のケイ・スイスやコールハーン、英国のクラークスなど欧米計10ブランドを取り扱う輸入・販売代理店で、これまで製造活動は行っていなかった。同社は、政府の国内生産拡大と輸入代替方針に沿って(2025年9月26日記事参照)、本プロジェクトを進めたとしている。詳細は、調査レポート「アルジェリアの主要輸入規制(2024年8月)」を参照。
新工場は2027年第1四半期の稼働開始を予定し、年間生産能力は200万足とされる(6月21日付国営通信社「アルジェリア・プレス・サービス」)。協定は、トラディフットのドジャメル・ラムール最高経営責任者(CEO)とスケッチャーズのダグラス・パーカー財務担当副社長が首都アルジェで署名し、アルジェリアのカメル・レジグ対外貿易・輸出促進相が立ち会った。工場はアルジェのババ・アリ(Baba Ali)工業地帯に立地し、投資額は1,000万ドル超とされている。プロジェクトにはスケッチャーズの専門家による現地労働者の育成が含まれ、製造技術とノウハウの移転を進める予定だ。詳細は未公表だが、現地報道によると現地調達率は40%が見込まれている。
生産は最終的に4ライン体制とし、当初は国内市場向け、操業2年目以降はアフリカ市場への輸出を計画する。中期的にはアラブ諸国、欧州市場への輸出を目標としている。
スケッチャーズは、外部委託生産(OEM/ODM)を軸としたアセットライト型サプライチェーン(注)を構築し、中国・ベトナムを中心に生産拠点の分散を進めている。今回の動きは、現地製造パートナーとの協業により価格競争力を維持しつつ、アルジェリア市場へのアクセスの確保を狙ったものとみられる。同拠点からアフリカなど輸出市場でシェア拡大を図るには、低価格のアジア製品や東・北アフリカの既存繊維産業との競合が課題となるため、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)(2025年10月24日記事参照)の活用や製造工程の自動化などによる低コスト化が求められる見通しだ(6月21日付「マグレブ・エメルジャン」)。
(注)自社で生産設備を保有せず、OEM/ODM(「貿易・投資相談Q&A」参照)など外部委託を中心に構築する軽資産型の供給網。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、米国、中国、ベトナム)
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