日米造船ミッションが南部3州訪問、アラバマ州が海事産業拠点としての優位性をアピール
(米国、日本)
アトランタ発
2026年06月15日
米国アラバマ州商務省は6月10日、米国商務省国際貿易局(ITA)が主導する日米造船協力ミッションの一環として、日本の官民代表団が4月26日から5月2日にかけて同州を含む米国南部3州を訪問したと発表
した。同ミッションはアラバマ州、フロリダ州、ミシシッピ州で実施されたもので、2025年10月に署名された日米造船協力覚書に基づき(2025年10月29日記事参照)、米国の造船能力拡大や日本の対米投資促進を図ることを目的としている。
アラバマ州は同ミッションを、自州の海事産業の競争力を国際的に示す好機と位置付けている。アラバマ州のエレン・マクネアー商務長官は、「今回の訪問は、日本の関係者にアラバマ州が海事・防衛産業のリーダーである理由を直接理解してもらう機会となった」と述べた。
同ミッションの訪問先となった同州モービル市は、外洋に通じる州内最大の港を有する造船や物流など海事産業の拠点であり、同州経済を支えている。同地域には1万6,000人超の海事関連人材が集積し、船舶の建造、修繕、物流など幅広い機能を担う。モービル商工会議所のデービッド・ロジャース副会頭は、「アラバマ州は米国の国家防衛における重要性を高めている」と述べ、オーストラリアの造船メーカーの米国法人のオースタルUSAなどによる次世代艦船建造や拠点拡張が同州の存在感を高めていると指摘した。
ジェトロがモービル市でミッションに参加した複数の日本企業にヒアリングしたところ、州政府による造船分野における人材育成プログラムの整備や公的支援の充実、予算投入の積極性などを評価する声が聞かれた。
また、アラバマ州にとっては日本企業の存在感も大きい。州政府によれば、日本は主要な対内投資国の1つで、1999年以降の累計投資額は100億ドル超、雇用創出数は約2万5,000人に達している。こうした実績が、今回の造船分野での協力深化の基盤となっている。なお、同州は2025年10月に東京事務所を開設した(2025年10月31日記事参照)。
同州は今回のミッションを契機に、日本との産業連携をさらに深化させ、モービル市を軸とした造船・防衛分野への新規投資や技術協力の誘致につなげたい考えだ。
(紀井寿雄)
(米国、日本)
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