欧州委と欧州投資銀行、インベストEUに220億ユーロの戦略的資金追加で合意

(EU)

ブリュッセル発

2026年06月25日

欧州委員会と欧州投資銀行(EIB)グループ(注)は6月10日、EUの競争力強化、防衛力の拡充、グリーン・デジタル移行の加速を目的に、投資促進策「インベストEU(InvestEU)」(2026年3月19日記事参照)に220億ユーロの戦略的資金を追加することで合意した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

InvestEUは、現行の中期予算枠組み(MFF、2021~2027年)の下で、これまで主要な政策分野に官民合わせ約3,971億ユーロを投資(2022~2025年)している。EIB総裁は、EU予算による保証で1ユーロ当たり約15ユーロの投資を呼び込むレバレッジ効果を強調しており、うち約3分の2を民間資金が占めるなど、公的資金を呼び水として民間投資を大規模に誘発する仕組みとして機能している。さらに、雇用は約770万件の創出・維持につながり、約15万社の中小企業を支援している。

投資の実施状況は、加盟国間および分野間で一定の偏在がみられる。加盟国別にみると、契約済み融資額は、イタリア、ポルトガル、スペインで高く、フランスやドイツを上回っている(添付資料表1参照)。分野別では、エネルギー、中小企業支援、モビリティー、研究・開発・イノベーション分野に投資が集中している(添付資料表2参照)。

InvestEUは、2025年12月に採択された投資のオムニバス法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、投資能力の拡大と手続きの簡素化を柱とする改正により強化が図られている。EU保証の拡大により、少なくとも550億ユーロの追加的な官民投資の動員を目標とし、リターン再投資や加盟国資金の活用促進、行政負担の軽減などが盛り込まれている。また、今回の資金配分は、(1)クリーン技術およびバイオテクノロジー分野のイノベーション、(2)デジタル分野の高度化、(3)高成長が見込まれるスタートアップおよびスケールアップ企業といった重要分野における構造転換型投資を加速させる見込みだ。さらに、13万社以上の中小企業に対する資金アクセスの改善などが期待されている。

欧州委のステファン・セジュルネ執行副委員長(繁栄・産業戦略、産業・中小企業・単一市場担当)は、追加される50億ユーロについては次世代の産業チャンピオンが欧州で創出され、成長し、資金調達できる基盤となるとコメントした。また、中小企業の資金アクセスを簡素化することで、企業がイノベーションや投資、雇用創出といった本来の活動に専念できる環境の整備につながると強調した。

(注)EIBグループは、EIBおよび中小企業に対する資金提供を専門に行う欧州投資基金(EIF)で構成される。2025年の年次報告は2026年2月10日記事参照。

(薮中愛子)

(EU)

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