日産自動車、英国工場で奇瑞汽車の乗用車生産を検討へ、MOUに署名
(英国、中国、日本)
ロンドン発
2026年06月08日
日産自動車は6月3日、日産の英国サンダーランド工場での奇瑞汽車(チェリー)の乗用車の受託生産について検討するための覚書(MOU)に署名した。
MOUでは、日産が2027年度に同工場の第1生産ラインでチェリーの乗用車の製造開始を目指すとしている。また、同工場は引き続き日産が所有し、従業員についても同社が雇用を継続するとしている。
サンダーランド工場では「キャシュカイ」「ジューク」「リーフ」が生産されているが、日産は2026年5月、同工場の稼働率向上を図るため、2本ある生産ラインを1本に集約すると発表していた。日産のAMIEO(アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア)地域のマッシミリアーノ・メッシーナ議長は「これは当社事業にとって重要な前進だ。今後数カ月にわたりチェリーと協力し、両社にとって最適なかたちを決定できることを楽しみにしている」と述べた。
チェリーは、欧州での事業展開を活発化させている。2024年4月にスペインのEVモーターズと提携し、旧日産バルセロナ工場を活用して自動車生産に乗り出すと発表した(2024年4月26日記事参照)。英国内でも販売が好調で、英国自動車製造者販売者協会(SMMT)の発表によれば、Jaecoo(ジャクー)ブランドの「ジャクー7」の新車登録台数が2026年3月単月でトップとなった(2026年4月20日記事参照)ほか、1~5月累計(2万695台)でも、フォードの「プーマ」、起亜の「スポーテージ」に次ぐ第3位となった。
6月3日付の英紙「ガーディアン」によると、バーミンガム大学ビジネス経済学教授のデビッド・ベイリー氏は、「これは歴史的な取引になる」とコメントし、「(中国のブランドは)英国最大の自動車工場で車を生産しようとしている。中国はもはや欧米の自動車メーカーと単に競合しているだけではなく、産業基盤の一部になりつつある」と指摘した。
なお、アフリカ地域で日産は、2026年1月に南アフリカ共和国・ロスリン工場をチェリーに売却することで合意している(2026年1月29日記事参照)。
(森詩織)
(英国、中国、日本)
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