英国で中国「ジャクー7」が新車台数トップ、タタ傘下アグラタスはバッテリー工場建設へ
(英国、EU、中国、米国、インド)
ロンドン発
2026年04月20日
英国自動車製造者販売者協会(SMMT)の発表
(4月7日付)によると、中国の自動車メーカー奇瑞汽車(チェリー)が展開するJaecoo(ジャクー)ブランドの「ジャクー7」が、英国の2026年3月の新車登録台数でトップ(1万64台)となった。同モデルはガソリン車、ハイブリッド車(HEV、注1)、プラグインハイブリッド車(PHEV)のオプションを持つスポーツ用多目的車(SUV)で、2025年9月以降、継続的に新車登録台数上位10位以内に入っていた(2025年10月15日記事参照)が、トップとなるのは初めてだ。4月8日付のジャクー公式ウェブサイトの発表
によると、「ジャクー7」の販売増の要因は個人顧客と法人顧客の両チャンネルにおける旺盛な需要に支えられており、取り扱うディーラー数は英国内124カ所に及ぶ。
4月12日付BBCによると、5年前の新車登録台数に占める中国ブランド車の割合は1.3%だったが、2026年現在では約15%まで増加している。BBCは、中国ブランド車躍進の背景として、英国がEUや米国と異なり、中国からの輸入車に対する関税措置(注2)を課していないことを挙げた。
英政府の資金がアグラタスのバッテリー工場建設に充当
英国政府は4月9日、先端製造業分野への総額7億ポンド(約1,505億円、1ポンド=約215円)超の投資計画を発表
した。その過半となる3億8,000万ポンドは、インド財閥大手タタ・グループ傘下のアグラタス(Agratas)によるバッテリー製造ギガファクトリーの建設に充てられる。ゼロエミッション車(ZEV)の製造支援に資する国内プロジェクトへの資金提供を強化するプログラム「DRIVE35」の一環で、自動車変革基金(ATF)によるものだ(2025年7月17日記事参照)。同ギガファクトリーはイングランド南西部サマセット州に建設中で、完全稼働後25年間で約430億ポンドの経済成長に資すると見込まれている。また、4,200人を雇用するほか、300人の見習工に就業機会を提供し、サプライチェーン全体で数千人の雇用を創出するとしている。製造したバッテリーセルは、同じくタタ・グループ傘下の英国自動車大手ジャガー・ランドローバー(JLR)に供給される。
(注1)HEVは2026年5月以降に納車開始予定。
(注2)EUは中国製バッテリー式電気自動車(BEV)に対し、相殺関税措置による追加関税を課している(2024年12月19日付地域・分析レポート参照)。米国は中国からの輸入車両に対し、自動車・同部品を対象とする1962年通商拡大法232条および1974年通商法301条に基づき高関税を課している(2026年3月19日記事参照)。
(齊藤圭)
(英国、EU、中国、米国、インド)
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