中国、外資誘致強化に向けた15項目のアクションプラン発表

(中国)

北京発

2026年06月25日

中国の商務部、国家発展改革委員会、財政部は6月16日、「外資利用の安定維持・質の向上アクションプラン」(商資発[2026]97号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(商務部ウェブサイトへの掲載日は6月22日)。外国資本活用の安定の確保と質の向上を推進するため、5分野、計15項目のプランを策定した(添付資料表参照)。

「市場アクセスの拡大」の分野では、金融業の開放を推進するとして、外資系金融機関によるファンド投資顧問業務の実施を支援するとした。また、越境業務管理を最適化し、重点外資系企業にクロスボーダー融資の利便化枠(注1)を提供するとした。医薬分野については、医薬品の「分段生産」制度(注2)を整備し、海外の「医薬品上市許可」(「上市」は市場投入の意)保有者によるバイオ製品・化学薬品の越境分段生産を促進するとした(注3)。また、保険会社による保障範囲拡大を支援し、革新的な医薬品や医療機器の市場参入を促すとしている。さらに、外資系企業の医薬品が小売りチャンネルにて円滑に流通できるよう、業界協働プラットフォームを整備するとした。

「外商投資の利便性向上」の分野では、外国投資者による中国国内企業買収規定の改定を進め、監督管理における部門間連携を強化するとした。また、データ越境管理について、自由貿易試験区などでより多くの分野で利用シーン別のデータ越境ネガティブリスト(注4)策定を模索し、工業、電気通信、地理情報、自動車、医薬、宇宙、航空などの産業分野で重要データ分類目録の国家標準を策定するとした。

「投資促進水準の高度化」の分野では、地方政府の外資誘致活動における奨励・禁止事項リストを策定し、政策執行の一貫性を高めるとした。さらに、「外商投資サービス保障体系の整備」の分野では、法律で定めのある分野や国家安全に係る領域を除き、各分野で策定する企業支援政策では外資系企業には内資企業と同等の扱いを保証し、政府調達や入札でも公平競争を確保するとしている(注5、6)。

国務院新聞弁公室は6月22日、記者会見を開き、同アクションプランは第15次5カ年規画期間(2026~2030年)において外資誘致の新たな利点を形成するため、外資系企業の共通の問題に焦点を当てて策定したと解説した。また、これらの問題の多くは、毎月開催している外資系企業座談会、重点外資系企業プロジェクト専門チーム、多国間・2国間の経済貿易協力メカニズムを通じて収集し整理したものだと述べた。さらに、製造業においては、今後重点的に解決すべきは「参入」後の「営業許可」の問題であり、「大きな門は開いているが小さな門が開いていない」といった具体的問題の解決に力を入れていくと述べた。

(注1)クロスボーダー融資利便化とは、一定の条件を満たす企業が純資産規模に関わらず、外貨管理局が認定する枠内で自主的に外債を借り入れられる制度。2022年5月に一部地域で試行が始まり、以降、対象地域が拡大されてきた。

(注2)医薬品の分段生産制度とは、医薬品の製造プロセスを複数の工程(段階)に分け、それぞれを異なる製造拠点や企業で分担して行う仕組み。

(注3)中国日本商会が6月11日に発刊した「中国経済と日本企業2026年白書」(2026年6月15日記事参照)では、海外医薬品市販承認取得者(MAH)制度に関する内外格差の是正として、海外MAHの上市許可を中国国内企業へ円滑に譲渡できる仕組みの実現を要望している。なお、医薬品市販承認取得者(MAH)制度とは、実施対象地域の企業・研究機関が、医薬品市販承認を申請・取得した場合、医薬品の品質・安全性に責任を持ちつつ、他の企業に委託生産することが可能となる制度。

(注4)各自由貿易試験区では、データ越境ネガティブリストが順次策定されている(2024年9月11日記事2025年4月8日記事参照)。

(注5)国務院新聞弁公室による記者会見では政府調達に関して次の4点を挙げている。

  1. 政府調達に関する法制度の整備
  2. 政府調達における国産品基準(2025年10月3日記事参照)の明確化
  3. 政府調達に対する監督管理の強化
  4. 政府調達に関する行政裁決メカニズムの継続的整備

(注6)「中国経済と日本企業2026年白書」では、政府調達分野における外資系企業と中国企業による公平な競争の保障を要望している。

(亀山達也)

(中国)

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