中国日本商会2026年白書、予見性・透明性の確保されたビジネス環境などを要望

(中国、日本)

北京発

2026年06月15日

在中国日系企業などで構成する中国日本商会は6月11日、「中国経済と日本企業2026年白書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発刊した。白書は、中国の中央・地方政府との対話促進を目的に、中国各地の商工会組織の日系企業が直面する課題の分析や、解決のための建議をまとめたもの。中国ビジネスに最前線で取り組む会員企業など約70人が執筆を担当し、中国日本商会白書委員会(事務局:ジェトロ)が企画・編集を行った。

2010年から作成を開始し、今回で第17版となる本白書は、全体コンセプトを「予見性・透明性と公平性の向上によるビジネス機会の確保」に設定した。また、建議を3つの柱に集約した「建議の3要素」については、前年と同様に「行政の予見性・透明性向上と円滑化」「公平な競争」「対外開放」とした。

加えて、重点分野を「安定的な日中関係に向けた環境作り」「予見性・透明性、公平性が確保されたビジネス環境整備」「持続的成長に向けた経済活性化」とした。

「安定的な日中関係に向けた環境作り」に関しては、安定的な日中関係の構築に向け、国家間の政治・外交的な問題を、企業活動や文化活動に波及させないことを希望するとした。また、円滑な人的交流を実現するため、在留邦人の安心・安全な環境づくり、日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置の常態化などを要望している(注1)。

「予見性・透明性、公平性が確保されたビジネス環境整備」に関しては、企業活動の安定には、法令・政策の予見性、透明性、公平性な運用が必要不可欠であるとした。そのうえで、両用(デュアルユース)品目に関する輸出管理措置(注2)について、明確な基準の提示と十分な説明、実務上の円滑な運用を要望するとともに、政府調達、補助金政策、標準化策定などの分野においては、内外企業を区別しない、公平な競争環境の確保を要望している。

「持続的成長に向けた経済活性化」に関しては、在中国日系企業のビジネスにとって、中国経済の持続的成長と内需の拡大が重要な基盤であるとしたうえで、個人消費の回復・拡大、民間投資の促進などを通じた経済活性化を要望している。

記者発表では、中国日本商会の本間哲朗会長が「中国の中央政府・地方政府と、中国日本商会との対話の持続的実施を期待する」としたうえで、「本白書を通じて日中両国の対話が促進され、両国間の絆がいっそう深まり、両国経済の発展につながることを切に願っている」と発言を締めくくった。

(注1)中国外交部は2025年11月、日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置について、2026年12月31日までの延長を発表している(2025年11月4日記事参照

(注2)2025年の白書発表(2025年6月19日記事参照)以降、中国商務部は、2026年1月に日本に対する両用(デュアルユース)品目の輸出管理強化を発表したほか(2026年1月8日記事参照)、2月には計40の日本企業・組織を対象とした両用品目の輸出禁止・審査厳格化を発表している(2026年2月26日記事参照)。

(西島和希)

(中国、日本)

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