バレン油田プロジェクト、フェーズ3開発を合わせ総投資額は約85億ドルに

(コートジボワール)

アビジャン発

2026年06月11日

コートジボワールの石油・ガス田開発で最大規模となるバレン油田プロジェクトのフェーズ3開発について、イタリアのエネルギー大手エニ(ENI)、コートジボワール石油公社ペトロシ(PETROCI)、オランダ系エネルギー取引大手のビトル(Vitol)のコンソーシアムが5月25日、アビジャンで最終投資決定(FID)に署名した。今回のフェーズ3開発には約40億ドルが投じられ、フェーズ1・フェーズ2に投入された約45億ドルと合わせ、総投資額は約85億ドルに達する。

コートジボワールのママドゥ・サンガフォワ・クリバリ鉱山・石油・エネルギー相は式典において、本フェーズが国家のエネルギー安全保障を強化し、経済成長と産業競争力の向上に直結すると強調した。またバレン油田に加え、2024年に発見されたカラオ油田の最適な活用を通じて、国内・西アフリカ地域全体のエネルギー需要に応えるため、コートジボワールが世界銀行の支援を受け、天然ガスの長期戦略「ガスマスタープラン」の策定に着手したことを明らかにした。

エニのグローバル天然資源部門のギド・ブルスコ最高執行責任者(COO)は、バレン油田の開発が単なる産業プロジェクトにとどまらず、コートジボワールの経済・エネルギーの将来を支える基盤であると強調した。また、コンソーシアムの関係者が長年かけて築いてきたパートナーシップの重要性を示した。

同氏は「バレンプロジェクトの成功が、エニによる探鉱活動強化を促進し、2024年のカラオ油田、2025年のカシャロ油田の発見につながった」と述べた。また、これらは、コートジボワール沖合の堆積盆が高い潜在力を持つことを裏付けている。バレンプロジェクトはコートジボワールのエネルギー安全保障上の戦略的推進力になっており、雇用創出、技術移転、そして地域経済の強化にも貢献している、とのエニの認識を示した。

クリバリ鉱山・石油・エネルギー相によると、本事業は国内エネルギー生産力の向上だけでなく、炭素排出削減と持続可能な開発を両立させるアフリカ初のネット・ゼロ・エミッションによる油田開発としても注目されている。また、2026年4月、フェーズ2の実施とフェーズ3の開始のため、総額2,000億CFAフラン(約580億円、1CFAフラン=約0.29円)の協調融資契約が締結された(2026年4月20日記事参照)。エニは、2027年にはフェーズ3の実施により原油生産量が日量15万バレル、天然ガス生産量が約566万立方メートルに達すると見込んでいる(2026年5月8日記事参照)

(ロブエ・ピエールアダム)

(コートジボワール)

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