メキシコ国税庁、税関価格申告書の電子申請(MVE)開始を8月1日に再延期

(メキシコ)

メキシコ発

2026年06月05日

メキシコ国税庁(SAT)は6月3日付のプレスリリースおよび2026年の貿易に関する一般規則(RGCE2026、通称SAT貿易細則)の第2次改正(第1次事前公表版)において、税関価格申告書の電子申請(MVE、注1)の開始を再延期し、8月1日から開始すると発表した。また、SATと税関庁(ANAM)は同日、共同でプレスリリースを発出し、MVE開始の延長に加え、新しい「貿易手続きのワンストップ窓口(Ventanilla Única de Trámites de Comercio Exterior、VUTCE、注2)」を通じてMVEの申請を行うとした。そのメリットとしては次の点を記載した。

  • リスクの軽減:貨物の通関前に、関税評価額に関する情報を電子的に提出することで、罰金や制裁措置につながる可能性のある税額の算定ミスを未然に防ぐこと。
  • 審査の効率化:事前に提出された情報のうち、特定の項目に焦点を当てることで、税関当局による審査を容易かつ迅速にする。これにより、貨物が税関に滞留する時間を短縮する。
  • コスト削減:運営コストを削減する。

一部報道では、全国通関業者協会連合会(CAAAREM)が6月2日に、MVEの現行窓口(VUCEM)のデジタル化・運用に課題があると当局に報告したため、再延期となったと示唆されている(「トランスポルテ・イ・トゥリスモ」紙2026年6月2日付)。また、メキシコ全国輸出入業者協会(ANIERM)チワワ支部は、MVE義務化を再度延期した当局の決定を妥当だと評価した(「エル・エラルド」紙2026年6月3日付)。マルセロ・バスケス・トバルANIERMチワワ州代表は、MVEについて「1日当たり10万件以上の申告を処理する必要があるが、この処理量は、情報管理を担う政府の技術インフラにとって大きな課題となっている」と指摘した。その上で、「期限の延長により、当局がデジタルプラットフォームを強化し、正式な施行前に潜在的な不具合を修正できるようになる。これにより、通関業務の遅延や支障を回避できる」と強調した。また、MVEのもう1つの懸念点として、企業規模によって対応力に差があることを挙げた。大企業はMVEへの対応に十分なリソースを有しているが、中小企業はより大きな困難に直面しているとした。

今後も再延期や修正事項が発生する可能性があるため、輸入者となる企業は引き続きMVEの動向を注視すべきだ。

(注1)Manifestación de Valor Electrónica。詳細については2026年3月12日付地域・分析レポートを参照。

(注2)貿易手続きのワンストップ窓口(Ventanilla Única de Trámites de Comercio Exterior、VUTCE)の詳細については、2026年5月8日記事を参照。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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