豊田通商、ラオスでトヨタブランド車の現地生産へ
(ラオス、日本)
ビエンチャン発
2026年06月12日
豊田通商は6月9日、ラオスで自動車組立(注)事業を行う新会社「Toyota Tsusho Manufacturing Laos(TTML)」を設立したと発表した。TTMLは、首都ビエンチャンの経済特区「VITAパーク」内に組立工場を建設する計画だ。出資比率は、豊田通商が81%、現地販売代理店トヨタラオスが10%、地場企業ソクサイグループが9%となる。
新工場は2028年4月の稼働開始を予定しており、年間5,000台以上の生産能力を見込む。生産車種は、ラオスでも需要の高いピックアップトラックとスポーツ用多目的車(SUV)の2種類を計画している。トヨタブランド車がラオス国内で生産されるのは今回初めてであり、同国の自動車産業にとって大きな節目となりそうだ。
これまでラオスの自動車市場では、完成車(CBU)の輸入販売が主流だった。国内には本格的な自動車産業基盤が十分に整備されておらず、多くの車両はタイや中国、日本などから輸入されてきたためだ。一方で、近年はラオス政府による税制優遇策を背景に、国内組立事業への関心が高まっている。
実際に、ラオス国内での車両組み立ての事例としては、2013年に韓国系LVMCホールディングス(旧コーラオグループ)が、韓国製エンジンと中国製部品を活用した1トントラックの生産を開始した。その後、中国ブランドの「チェンロン(Chenglong、乗龍)」のトラック組立工場も稼働を開始している。さらに今後は、米国ブランドのピックアップトラックや、中国ブランドのEVの組立工場の設立も計画されており、ラオスでは自動車組立産業が徐々に広がりつつある。
こうした動きを後押ししているのが、ラオス政府による税制優遇措置だ。国内で完全組み立て車(CKD)や不完全現地組み立て車(IKD)方式による組み立てを行うために輸入される部品は、輸入時点での物品税が免除される。さらに、組み立てられた車両を販売する際の物品税率も、完成車輸入に比べて大幅に低く設定されている。CKD方式の場合は工場出荷卸売価格の5%、IKD方式では3%の税率が適用される。一方、CBUとして輸入される乗用車には、排気量に応じて31〜220%という高率の物品税が課される。例えば、排気量2500超〜3000cc以下の乗用車をCBUとして輸入する場合、82%の物品税が発生する(2023年10月18日記事もしくは「ラオス:税制」参照)。
(注)2021年3月23日付「陸上車両部品に関する合意(第0221/MOIC号)」では、車両組み立てを3分類している。
(1)SKD(セミノックダウン):単一部品ではなく大まかに分解された状態(50%程度)の部品。
(2)CKD:細部まで分解された状態の部品。エンジンやバッテリーは輸入可能。
(3)IKD:CKDに加え、一定割合(製造原価の20%以上自社生産、または30%以上国内他社調達)の国内生産パーツを含む形態。
(山田健一郎)
(ラオス、日本)





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