物品税を一部引き上げ

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年10月18日

ラオスで、「2023年10月9日付商品の物品税の改正に関する国家主席令003号」が発布され、物品税の対象となる一部の商品やサービスの税率が即日引き上げられた。ラオスでは、物品税はたばこやアルコールなどの嗜好(しこう)品や自動車、二輪車、ゲーム機などの製品、またカラオケ、ゴルフ、宝くじなどのサービスにも課せられている。輸入品では輸入時に、国産品やサービスは販売翌月20日までに申告・納税する必要がある。今回税率が引き上げられたのは、自動車、アルコール製品、飲料、たばこで詳細は次のとおり(注)。

〇自動車

  • 排気量1000cc未満:26%から31%へ
  • 排気量1000cc~1600cc:31%から41%へ
  • 排気量1600cc~2000cc:36%から56%へ
  • 排気量2000cc~2500cc:41%から66%へ
  • 排気量2500cc~3000cc:52%から82%へ
  • 排気量3000cc~4000cc:77%から127%へ
  • 排気量4000cc~5000cc:92%から200%へ
  • 排気量5000cc以上:102%から220%へ

〇アルコール製品

  • 23度以上:80%から110%へ
  • 10度以上23度未満:70%から90%へ
  • 10度未満:62%から72%へ

〇ビール

  • 5度以上:60%から70%へ
  • 0.5度以上5度未満:60%(据え置き)
  • 0.5度未満:20%(据え置き)

〇炭酸水:7%から12%へ

〇エナジードリンク:12%から17%へ

〇たばこ:42~57%から47~72%へ

また、これまで物品税の対象とされていたが、税率は規定されていなかったゲーム機、カジノ・賭博ゲームは50%と明示された。

ラオスでは厳しい財政問題を抱える中、2023年6月の国会でも歳入確保とともに外貨流出を抑制するためにも、アルコールや高級車などの贅沢(ぜいたく)品の輸入制限を行うことが議論され、8月29日付首相命令13号において、財務省は、贅沢品や健康・社会に影響のある商品の物品税率の引き上げを検討するように指示されていた。とりわけ排気量の大きな自動車への税率が大きく引き上げられたが、電気自動車(EV)は3%に据え置かれている。

(注)今回の国家主席令で変更が言及されていない商品・サービスは、「2021年8月7日付税法関連法の一部条項改正に関する法01号」に従うとされる。詳細はジェトロ税制(物品税の項目)を参照。

(山田健一郎)

(ラオス)

ビジネス短信 a94818fd165f8a27