0.7~20MWの自家発電、許認可手続き簡素化の具体的指針を発表

(メキシコ)

調査部米州課

2026年05月15日

メキシコ・エネルギー省(SENER)は5月8日、「自家消費発電に関連する手続きを、優先的、迅速的かつ一体的に処理するための自家消費ワンストップ窓口の設置に関する指針」を官報公示し、翌日に施行した。「自家消費ワンストップ窓口(Ventanilla Única de Autoconsumo、VUA)」を利用する新たな手続きを導入し、発電許可、系統接続、社会影響評価(MISSE)など、複数機関にまたがる申請を、一体的かつ迅速に処理できるようにする(添付資料表参照)。

自家消費を目的とした0.7~20メガワット(MW)の発電事業であれば、系統接続の有無にかかわらず(注1)新ルートを利用できる。申請時の窓口はVUAを利用するものと、そうでないものに分かれるが、提出後に全ての申請が単一のファイルに統合され、各当局がVUAで閲覧できる仕組みだ。また、各申請については当局による審査・手続き期間の上限が設定された。主要な申請窓口や担当機関、審査期間の上限を添付資料表にまとめた。従来の手続きルートでは、CNE(国家エネルギー委員会)、SENER(エネルギー省)、CENACE(国家電力管理センター)など各当局との間で、各申請を別々に進める必要があったのに対し、VUAを使った新ルートでは各当局による同時処理が可能となった。第2.2則でも、新ルートで行う申請は、「通常の手続きルートで処理される申請と比較して、迅速に対応されなければならない」と定めており、一連の手続きにかかる時間の短縮が期待される。なお、従来の通常ルートも維持され、申請者が定められた期限内に必要書類を提出しない場合や、申請が却下された場合は、当該制度の適用外となり、通常ルートでの再申請が必要となる。

付則第2~3項では、現在進行中の手続きも、一定の条件を満たし、所定の手続きを踏むことで(注2)新制度への切り替えが可能であると明記された。また、付則第5項では、電力庁(CFE)が施行後30営業日以内に、余剰電力売買契約や技術サービス関連の申請、およびその要件を政府ポータルで登録するとしており、一部の申請については未整備であるとみられる。

2025年3月に施行された電力産業法(LSE)では、0.7~20MWの自家発電については許認可手続きが簡素化されると規定されており(2025年5月1日付地域・分析レポート参照)、今回の指針はそれを具体化したものと位置付けられる。

(注1)自家発電は、(1)系統に接続しない形態(Aislado)と(2)系統に接続する形態(Interconectado)がある。両者の違いは、2026年1月26日付地域・分析レポートも参照。

(注2)旧電力産業法(LIE)に基づく系統接続許可または発電許可が審査中で、かつ当該プロジェクトが自家消費発電として開発可能である場合、一度申請を取り下げた上で、新ルートによる申請を行うことができる。新電力部門法(LSE)下において、既存の発電許可または系統接続許可が審査中・審査済みの場合、その申請番号や関連証憑(しょうひょう)を提示することで、新ルートでの処理を申請することができる。

(加藤遥平)

(メキシコ)

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