在中国ドイツ企業、地政学リスク下でも事業見通し改善、EUの対中依存度低減の影響には懸念

(中国、ドイツ、EU、中東)

北京発

2026年05月21日

在中国ドイツ企業などの団体である中国ドイツ商会は5月12日、在中国ドイツ企業の景況感やイランでの紛争、米国・EU・中国の関係に関するクイックサーベイの結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(注1)。

同調査によると、地政学リスクが高まる中でも、在中国ドイツ企業の景況感は2025年4月の前回調査(2025年5月12日記事参照)より改善し、中国経済や事業見通しに対して、より楽観的な見方を示した。一方で、大多数の企業がイランでの紛争の影響を受け、物流コストと部品・原材料価格の高騰に直面しているほか、米中およびEU・中国の貿易摩擦による打撃も受けている。また、EU・中国関係において、EUによる対中依存度の低減が最も懸念されている。

具体的には、今後6カ月の中国経済について、「改善する」と回答した企業は37%となり、前年の15%から22ポイントと大きく上昇した。一方、「悪化する」が17%にとどまり、2025年の56%から大幅に縮小した。また、「売り上げの増加」「利益の増加」を見込む企業はそれぞれ42%、29%となり、前年から13ポイント、11ポイント上昇した。さらに、今後2年以内の中国への投資について、「拡大する」が61%となり、前年の53%から8ポイント拡大し、2023年以来の高水準となった。「縮小する」は11%で、前年より3ポイント縮小した。

イランでの紛争については、75%の企業が「影響を受けている」と回答した。主な影響としては「物流コストの上昇」(55%)、「部品・原材料価格の上昇」(47%)、「自社製品の価格上昇」(20%)、「サプライチェーンの調整(20%)」などが挙げられている(複数回答、注2)。

中国と米国・EUにおける貿易摩擦については、「米中貿易摩擦による影響を受けている」が69%、「EU・中国の貿易摩擦による影響を受けている」が59%だった。

また、影響を受けている貿易措置(複数回答)については、「米国の対中関税」と回答した企業が69%となり、依然として最も多いものの、前年から7ポイント縮小した。「中国の対米関税」は42%で、前年から21ポイント縮小した。一方で、「米国のエンティティ・リスト」などが44%、「中国の信頼できないエンティティ・リスト」などが27%となり、それぞれ前年から12ポイント、6ポイント上昇した。

EU・中国関係に関する懸念事項(3つまで回答可能)については、「対中依存度の低減」(52%)が最大の課題として挙げられた。次いで、「過剰生産懸念とEUにおける貿易不均衡」(40%)、「特定の分野(ハイテク、学術など)における協力に対するEU域内の警戒感の高まり」(32%)が続いた。

(注1)同調査は、4月15日から21日にかけて、中国ドイツ商会の会員企業を対象に実施された。回答企業は216社で、従業員数250人未満の企業が68%を占める。主な業種は機械・産業設備(31%)、自動車・モビリティ(17%)、ビジネスサービス(12%)、エレクトロニクス(5%)、プラスチック・金属製品(5%)、建設・土木(3%)、IT・通信(3%)だった。

(注2)中国EU商会が5月12日に発表した調査結果によると、在中国欧州企業の約8割が中東情勢によって何らかの好ましくない影響を受けていると回答している(2026年5月18日記事参照)

(張敏)

(中国、ドイツ、EU、中東)

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