在中国ドイツ企業、86%が米中関税の影響受けている、約4割が現地化を加速

(中国、ドイツ)

北京発

2025年05月12日

在中国ドイツ企業の団体である中国ドイツ商会は5月7日、米中貿易摩擦激化の影響に関するクイックサーベイの結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同調査は、中国ドイツ商会の会員企業へ4月14日から4月17日にかけてアンケートを行ったもの。有効回答数は143社。

同調査によると、86%の在中国ドイツ企業が米中の関税措置による影響を受けていると回答した。特に自動車産業では93%が「影響を受けている」と回答した。

影響を米国側措置と中国側措置に分けてそれぞれ確認した設問では、米国の関税措置について、「直接的な影響がある」が36%、「間接的な影響がある」が40%、「影響はない」が24%となった。中国の関税措置については、「直接的な影響がある」が36%、「間接的な影響がある」が27%、「影響はない」が37%だった。

関税のほか、米国による半導体などに対する輸出管理(43%)や中国による原材料などへの輸出管理(35%)などが事業へ直接的・間接的に影響を及ぼしているとの回答があった。

上記の米中の措置について、全体としては、米国側の中国に対する措置による影響があるとの回答が75%、中国側の米国に対する措置による影響があるとの回答が57%だった。

最近の貿易摩擦の激化への対応策については、「具体的な計画はないが、状況を注視中」が48%、「中国における現地化の加速」が38%、「米国に代わる他の調達先を検討中」が25%だった(複数回答)。

中国経済の見通しに関して、直近6カ月に比べて今後6カ月の経済状況が「悪化する」との回答は56%だった。2024年5月に同商会が実施した調査と比較すると、「悪化する」が40ポイント上昇した。なお、「改善する」は15%(前回比23ポイント低下)、「変わらない」は30%(同16ポイント低下)だった。

2025年の売り上げと利益の見通しについては、前年比で「増加する」との回答がそれぞれ29%、18%となり、同商会が2024年9月に実施した調査と比較すると、それぞれ4ポイント縮小した。

他方、今後2年以内の中国での投資意向は、「投資を拡大する」が50%、「現行の投資計画を維持」が33%、「投資を減らす」が18%となった。

ドイツの新政権(2025年5月8日記事参照)に期待する中国へのアプローチとしては、「中国政府との意思疎通の促進」(67%)、「ドイツにおける中国のイメージの改善」(52%)、「新政権の各レベルのメンバーの早期訪中」(40%)、「業界ごとの対話メカニズムの新設・再開」(34%)、「優れた中国企業から学習した知見のドイツへの導入」(33%)などが挙げられた(複数回答)。

(張敏)

(中国、ドイツ)

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